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正答と合格基準について

(更新:2013/03/15 20:00)

今回の試験結果の概要は次のようになります。

合格基準点…72点(150点満点中)
受験者…42,841人、合格者…8,058人、合格率…18.8%
不適切問題…なし

 合格者数、合格率、合格点ともに、例年にない低い水準でした。これは、問題の難易度が非常に高かった、の一言に尽きるといえます。

  第25回 社会福祉士国家試験 正解一覧(PDF) 

  第25回 社会福祉士国家試験 合格基準点・合格者数など(PDF) 

 

もう一つは、正しいものを「2つ」選ぶ形式が新たに出題されたことです。自動採点サービスを利用された方々の動向を見ても、「2つ」選ぶのを見落としてしまった方もかなり見受けられたようです。出題形式が変わるわけですから、試験開始前に、きちんと口頭で説明すべきことではないでしょうか。

 今回の国家試験では何らかの意図があったように思えます。社会福祉士をそれ以上増やす必要がなく、合格者数を減らしていく方針なのか、それとも、難関資格とすることで社会福祉士の価値そのものを高める方針なのか、それとも他の意図があるのか、私どもでは、はっきりわかりません。試験センター(厚生労働省)から、何らかの説明がほしいところです。

 色々と物申しましたが、過去問学習&テキスト・参考書での学習では、6割(90点)を超える得点を取ることは難しいですが、80点を取ることは可能です。今回の試験では、例年になく難問・奇問が多く、受験者の皆様の中には、途中で心が折れてしまった方もいらっしゃったのではないでしょうか?

 社会福祉士の国家試験では、合格基準の目安を6割としています(難易度で調整する、とはありますが)。今回の合格基準が5割を下回っているのは異常事態といえます。どうか、試験委員の諸先生方には、奇をてらった問題ではなく、社会福祉士の資質をきちんと問えるような問題を作成してほしいものです。努力が報われる試験制度であることを願うばかりです。

(正解と赤マル福祉自動採点で見解が異なったものについて)

【共通科目】
・問題53
 パートタイムの場合の、健康保険の被保険者になることが可能かどうかについて問われました。パートタイムの場合、一般社員の4分の3以上の勤務時間があれば、健康保険の加入が義務づけられます。4分の3以上を満たさない場合であっても、就労の形態や内容等を総合的に判断した結果、常用的使用関係が認められた場合は被保険者となります。
 さて、この事例では、Gさんの労働時間は、通常の勤務の場合の4分の3を下回っています。健康保険の加入が義務づけられるケースではありませんが、健康保険の被保険者になることが絶対にできないか、というとそうではないように思えます。試験センターの正解は1となっていますが、選択肢1の「被保険者になることができない。」と、選択肢4の「被保険者になることができる。」という記述からも、判断が難しかったものと思われます。

【専門科目】
・問題97…現在、準備中です。
・問題101…現在、準備中です。

2問とも、細かなところまで理解できていなければ正解できず、難問でした。
(コメントができ次第、公開する予定です)

※以下に、正答の判断にやや困難が伴う問題について、その判断基準等、赤マル福祉事務局としての見解をお示しします。

【共通科目】
・問題77
 この問題では、消費生活センターの相談員の助言について問われました。選択肢1と選択肢2で迷われた方が多かったと思います。
 制限行為能力を理由に取り消すことができるのは、民法第20条より、未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人です。Eさんは認知症ですが、事例文中には、成年被後見人などであるような記述はみられず、取り消しができるかどうかは、この事例文だけでは判断できません。
 選択肢2のクーリングオフ制度ですが、訪問販売のクーリングオフ期間は8日間です。クーリングオフでは、法律で定められた事項が書かれた契約書面を受け取った日を初日として数えます。この事例では、高価な化粧品を購入して2週間たっていますが、契約書面をまだ受け取っていません。しかしながら、事例文中の「見慣れない化粧品を使っている」とあり、適切であるとはっきり言えないのも事実です。事例文だけでは判断しにくいのですが、選択肢2の方がより適切であると判断しました。

【専門科目】
・問題85
 標本調査の長所と短所についての問題でした。正しいものを2つ選ぶものでしたが、選択肢1については正しいと判断できたと思います。残りの1つを選択肢4か選択肢5にするかで迷われた方が多かったと思われます。
 選択肢1の標本誤差とは、標本を抽出する際に生じる誤差をいいます。ですので、標本調査を行う場合には、必ず標本誤差が生じてしまいます。
 選択肢2は、標本調査よりも全数調査が望ましいことは明らかです。全数調査を行えば標本誤差は生じません。ですので、問題文中の「誤差」が標本誤差のことであれば、正しいといえます。しかしながら、「誤差」には標本誤差だけでなく、調査時の記入ミスや集計ミスなど、標本誤差によらない誤差(非標本誤差)もあります。ですので、○×の判断が難しいといえます。
 選択肢5の標本調査とは、調査対象の中から一部分を選んで調査し、その結果から調査対象の全体を推定する方法です。偏った標本を抽出してしまうと母集団を推測することが難しくなることからも、選択肢5の方がより適切な記述である、と判断いたしました。

・問題90
 観察法についての問題でした。選択肢1と選択肢5で迷われた方が多かったと思います。
 選択肢1の量的データとは、数値化されたデータです。観察法により数を数えてデータを収集することもありますので、適切でないといえます。
 一方、参与観察とは、研究者が調査対象者になる人々、その活動に関与して、見聞きした情報を記録していく手法です。対象者とラポールを築くことによって、本音やより多くの情報を聞き出すことができるという長所があるのですが、「同化し過ぎる」と研究者自身の主観に陥りやすいので注意が必要といえます。これより、選択肢5が適切な記述、と判断いたしました。


結果講評

【共通科目】 科目別分析はこちら
 今回の試験では、大きく2つの点で変更があった。まず「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」が共通科目に移ったことにより、試験問題が83問と7問増え、時間も15分長くなった。長い時間にわたり集中力を持続できたかが鍵になるといえよう。
 また、正しいものを「1つ」選ぶ形式のほか、「2つ」選ぶ問題が新たに4問(問題7、37、38、79)出題されたことが注目すべき点であった。これについては事前の予告がなく、正しいものを「1つ」選ぶ学習をされた方が多いと思われることからも、多くの人が戸惑ったと思われる。
 出題内容については、毎年出題されるようなオーソドックスな問題のほか、新傾向の問題も出題されており、例年の傾向を踏まえたものであったといえる。正解すべき問題で確実に得点を積み重ねられれば、合格基準点に達することが可能であり、過去問やテキストをきちんと学習することが重要である点に変わりはなかった。とはいえ、過去問やテキストで見られないようなキーワードや新傾向の問題の出題数が例年よりも多い印象を受けた。全体を通して概観すると、難易度としては昨年並み~やや難しいものと思われる。(更新:2013/01/26 15:06)
【専門科目】 科目別分析はこちら
 午後の試験は、問題数が7問減って67問となり、試験時間が15分短縮された。また、午前の試験と同様、正しいものを「2つ」選ぶ問題があり、全部で8問出題された。
 出題内容については、昨年と大きく変わってはいない。共通科目と比較して、取り組みやすい内容であったと思われる。単問事例については、クライエントへの対応だけでなく、援助技術や社会資源の適切な活用などについても出題され、社会福祉士に求められる知識が要求された。国家試験に向けて学習した内容の理解をもとに回答することが求められるものであり、事例文を読み取る力も必要とされた。また、毎年のこととはいえ、見慣れない語句や新傾向の出題がみられた。その一方で、頻出問題をはじめとした、確実に正解すべき問題もかなりあり、過去問やテキスト等での地道な学習を行ってきたか否かで明暗が分かれるものといえよう。難問や奇問に目がいきがちであるが、これらの問題に惑わされず、確実に正解できる問題で失点しないことが何より重要なことである。
 専門科目全体を通しての難易度については、例年並みであったものと思われる。(更新:2013/01/27 18:10)

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