HOME > 第29回社会福祉士国家試験結果速報

正答と合格基準について


【正解予測】第29回 社会福祉士国家試験正解一覧(PDF) 


  <見解が異なる問題について>

【専門科目】

(問題93)
 慈善組織協会(COS)についての出題でした。選択肢4と選択肢5で迷われた方が多かったと思います。
 慈善組織協会(COS)は慈善団体を組織化し、担当地区を決める等、円滑な慈善活動を行い、友愛訪問等によってケースワークの原点ともいうべき活動を行いました。また、慈善組織化の方法についてはコミュニティ・オーガニゼーションに発展しています。
 慈善組織協会(COS)では、ロック(Loch,C.)の指導のもと、要保護者の個別的訪問調査やケース記録が集積されました。また、スーパーバイザーをもち、所属機関のルールや原則により処遇することとなっていたことからも、科学化を追求したといえるものであり、選択肢4の方がより適切であると判断しました。

(問題110)
 単文事例問題で、選択肢1と選択肢3で迷われた方が多かったと思います。
 選択肢1のアセスメントは、クライエントが現在置かれている問題点やニーズを把握し、評価することをいいます。一方、選択肢3のスクリーニングとは、クライエントの相談内容をもとに、心身機能の状態や生活状況、家族関係などについて情報を収集し、サービス利用の対象者となるかどうかを確認することをいいます。
 判断に迷うところではありますが、単純な問題なのか、複数の複雑な問題なのか、それとも緊急対応が必要なのかについても判断することが必要であると考えられます。このため、選択肢3の方がより適切であると判断しました。

(問題130)追加修正しました!
 高次脳機能障害に対する排泄の介護についての単文事例問題でした。選択肢1、選択肢2、選択肢4から2つ選ぶのに迷われた方が多かったと思います。
 まず、選択肢1と選択肢2についてですが、これら2つはトイレに関する支援となっています。おそらく、どちらか一方を正解にしたい、というのが出題者の意図と思われます。しかしながら、いずれも正誤の判断が難しい内容となっています。
 選択肢1ですが、東京都福祉保健局「高次脳機能障害者地域支援ハンドブック」によりますと、「場所が分かるよう矢印などで示す」といった記述が見られます。事例文中の「トイレの場所が分からなくなり」といった記述にも合った内容です。
 一方、選択肢2ですが、事例文中に「注意障害があり、二つのことが同時にできない。失認症状も見られる」といった記述があります。高次脳機能障害の注意障害とは、注意の持続障害、気が散りやすい注意の集中障害、同時に複数の事が出来ない注意の配分障害などが見られます。また、失認障害とは、見えているものがわからないなどの障害をいいます。
 事例文中の記述のどの部分に着目するかによって見解が分かれてしまうところですが、事例文中の「また、注意障害があり(以下省略)」といった記述があることからも、矢印などで示すだけではトイレにたどり着けない可能性も否定できず、トイレに誘導することがより適切であると考えられます。
 一方、選択肢3~5についてですが、これらの中でより適切なものは選択肢4と考えられます。それ以外の選択肢が適切ではないことによるのですが、選択肢4で記述された「排泄時に着脱しやすい服装」が、Kさん本人の好みを尊重しているかどうか、という点では判断が難しいところではあります。

 この問題は専門家の間でも見解が分かれた問題の一つです。解答を1つに絞るのはきわめて難しく、不適切問題の可能性も十分に考えられます。疑義の残るところではありますが、試験センターが発表したものが正解となります。3月15日の発表を待つより他ありませんが、今回の結果速報では、正解予測を選択肢2と4に致しました。  

結果講評

【共通科目】 科目別分析はこちら
【科目別分析をご覧下さい↑↑↑↑↑全科目掲載済み】
 共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も例年通りであった。また、「2つ」選ぶ問題は3問(問題35、問題59、問題69)出題された。第25回以降、4~7問で推移していたが、今までで一番少ない出題数となった。なお、単文事例については全部で9問出題された。科目別でみると多少の出題数に変化はみられたものの、共通科目全体では昨年と変化はなかった。
 共通科目については、社会福祉士、精神保健福祉士いずれの受験者ともに、難しく感じる方が多い傾向にある。問題の一部に難易度の高い問題が含まれており、そのイメージが強くなっていることも一因といえよう。しかしながら、共通科目全体を概観しても、ここ最近、見慣れない語句や内容からの出題が少ない傾向にある。過去に出題された問題がそっくりそのまま出題されることはないが、問題を通してキーワードや関連する内容について理解できたかを問うものが多くを占めた。
 全体的には標準的レベルの問題が多く、ここ最近の傾向を継承していることからも、難易度は昨年並みであったと思われる。
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 専門科目についても、問題数は全67問で、科目別の問題数も例年通りであった。「2つ」選ぶ形式の問題については9問(昨年は13問)出題された。共通科目・専門科目ともに減少する結果であった。また、単文事例については全部で15問出題され、昨年より4問減少した。科目別にみて注目すべきは「相談援助の理論と方法」の出題数が10→6問となった点である。実践的な事例問題よりも理論の理解が重視される傾向になったといえよう。
 出題内容については、社会福祉士として理解すべき内容を中心に出題されており、問題の一部に新傾向のものや、かなり踏み込んだ内容も見られたことも含め、傾向については大きな変化がみられなかった。合格のためには、例年繰り返し出題されている内容についてしっかりと復習し、理解を深めることが必要である。また、問題演習を重ねていく過程で、問題の難易度を見極める力も求められた。
 専門科目全体としては、難易度についても大きな変動はみられず例年並みであったものと思われる。

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