社会福祉士国家試験情報第22回 社会福祉士国家試験 結果速報・分析

正答と合格基準について

新カリキュラム初の国家試験であった。配点は150点満点で変わらないものの、共通科目が80→76、専門科目が70→74点となり、科目数が13→19と増加した。合格基準点は84点であり、例年と同じ程度の水準におさまったといえる。合格率は27.5%であり、第10回(27.4%)と同程度であり、低い水準となった。今年の試験問題についても、過去問で出題されたキーワードを理解することにより、70%近くの問題を正解できる。新カリキュラムの試験についても、過去問学習を通し、教科書や法令を確認する学習を繰り返し行うことが重要であった。

正解と赤マル福祉自動採点で見解が異なったものについて

・問題41
選択肢3については「福祉サービス第三者評価事業に関する指針について」、選択肢4については「「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」第72条第2項及び第97条第7項等に規定する自己評価・外部評価の実施等について」(平成18年10月17日老計発第1017001号本職通知)の内容であった。これらの内容から正解を判断することが求められた。

・問題79
相関係数とは、2変数間の直線関係の有無とその強さを示すものである。例えば、原点を中心に同心円状に分布する場合のように、相関係数がゼロであっても関係性が存在する場合もある。

・問題111
この記録内容は、実際のやり取りについての記述であるが、時間の表記がなく、また「一瞬表情が動いたようにも見えたが」といった記述からソーシャルワーカーの解釈を加えたものと判断してしまった。クライエントの動きや妻の発言内容といった実際のやり取りが、順を追って記述されている内容であった。

結果講評

【共通科目】

(更新:2010/01/31 17:20)
新カリキュラムになって初めての国家試験であった。問題出題形式については、○×の組合せ問題等が全く出題されず、150問すべてが5肢択一形式となり、「正しいもの」「最も適切なもの」などを1つ選ぶ形式であった。また、「誤っているもの」を1つ選ぶ形式の問題が全く出題されなかったのも今回の試験問題の特徴であった。事例問題については、3問1セットでの出題はなく、1問ごとの出題となった。共通科目では今まで事例の出題がなかったが、今回初めて出題された。問題数も例年の27問から22問となり、5問減少した。新カリキュラムで新たに出題された科目については、標準的なレベルの出題内容で、受験者の不安に配慮した出題であったと思われる。150問を通し、昨年までの出題内容や傾向を踏襲しており、例年並みの難易度と思われる。

【共通科目】

(更新:2010/01/31 15:00)
問題数は全76問、科目別では「現代社会と福祉」「地域福祉の理論と方法」が各10問、それ以外の科目はすべて7問ずつの出題であった(赤マル福祉Web模試と同様の問題構成)。76問すべてが5肢択一形式で、昨年までの組合せ問題等は出題されなくなった。問題内容としては単に知識を問うものだけでなく、実務に即した内容など、考察的な問題が増えた印象を受ける。中でも問題35のように短文の事例を読んで回答する形式の問題が出題されたのは目新しく、このタイプの問題が全部で8問出題された。例年のことだが、問題の一部に過去問だけでは対応しきれない新キーワードが出題された。一部に細かな内容を問うものがあったものの、全体的には過去問や教科書での学習で対応できる問題が多く、難易度は昨年と同程度であろう。

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【専門科目】

(更新:2010/01/31 20:30)
問題数は全74問、科目別では「相談援助の理論と方法」が21問と多く、「高齢者に対する支援と介護保険制度」が10問、「就労支援サービス」「更生保護制度」が各4問、それ以外の科目はすべて7問ずつの出題であった。問題形式については、専門科目も共通科目同様、74問すべて5肢択一形式であった。事例問題については、今までの3問1セットでの出題が見られなかった。共通科目のような単問での事例が14問出題された。新カリキュラムで新たに出題された科目についても、難易度の高い問題は少なく、基本をきちんと理解できていれば解答可能な問題が多かった。従来からの科目についても、一部の問題で見慣れない語句についての出題が見られたものの、過去問で出題された内容が多く、全体的には昨年と同程度の難易度といえよう。

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