HOME > 第26回介護福祉士国家試験結果分析 > 科目別分析【午後科目】

第26回 介護福祉士国家試験 科目別分析【午後科目】

領域 午後科目 分析
領域III
こころとからだのしくみ
発達と老化の理解  本年も奇をてらうような設問はなく、問題文が簡潔で分かりやすい表現であった。昨年同様五枝択一で「間違っているもの」を選びなさいといった設問もなく、「最も多いもの」を選びなさいといった問いが一問あった他は「正しいもの」「最も適切なもの」を選びなさいであった。短文事例問題も昨年と同様2問出題されている。知識をいかに日常生活の中で活かせるかが問われている。内容においては半分以上が医学関連で「糖尿病、パーキンソン病、肝炎、心房細動」に関する問い。また国民生活基礎調査に関する「統計問題」も出題されており、社会動向の理解も試された。「発達」においては、こちらもまた頻出の「記憶」に関する問いが出題。他には老年齢に関する「定義」について出題されて いた。馴染みあるワードが多かったものの、あいまいな知識では悩む設問も少なくなかったであろう。また設問が簡潔である分、早合点がミスを招く恐れもあった。基本的な知識を押さえていたり、傾向をつかんでいたりすることで、落ち着いて臨めば答えは導けたと思われるので日頃の学習量がそのまま点数に比例したと思われる。
認知症の理解  認知症の患者数が急速に増加している中、認知症の理解の出題については昨年と同じく理解しておきたい基本的な知識を問う内容であった。認知症の早期発見・診断に力を入れる取り組みが進んでいる。問題78でせん妄の危険因子の理解が問われ身近にいる介護職員は十分知識を持っておくことが必要である。高齢者の支援において、せん妄は多要因で起こり原因特定が困難とされている。問題81の認知機能の評価、また問題85の認知症疾患医療センターに関する記述の理解なども含め、国が示している地域での生活を支える医療サービスの構築、認知症医療の連携を強化する役割の一員として担っていくべきである。問題77、79、82、83、84においては複数ある認知症のタイプの見極めと共に中核症状への理解、行動・心理症状への対応のあり方が問われ、問題80においては若年性認知症の知識が問われた。働き盛りの若年者の認知症は家族の暮らしにも大きな影響がでる。個々の能力を察し状況にあった支援が提供できるように関心を深める必要がある。問題86においてまさに、介護が辛いという家族への対応が問われた。的確な対応が期待されるところである。
障害の理解  今回の出題は、この科目の出題基準の大項目「1.障害の基礎的理解」から2問、「2.障害の医学的側面の基礎的知識」からは5問、「3.連携と協働」から1問、「4.家族への支援」から2問であった。昨年の出題とのバランスの差はあまりないが、過去の第24回、25回ともに出題されていた「片麻痺」、「高次脳機能障害」や「広汎性発達障害」についての問題はみられなかった。「問題87」ではICFだけでなくICIDHの特徴やICFへの変遷への背景などの理解が求められている。「問題88」のインクルージョンは、ノーマライゼーションに比べると出題されることは少ないが、選択肢文をよく読めば答えは見つけられるように思う。「問題89~93」では、障害の原因そのものを問われる出題はないが、疾患に対する知識や留意点などの実際に援助へとつなげていく知識を問われているものが多い。「問題94」は各職種の理解ができていれば解答できるであろう。今回、この科目全体としての難易度は中程度といえる。
こころとからだの
しくみ
 出題数は昨年同様の12問であるが、短文事例問題が前回の2問から1問に減っていた。 問題形式は、「正しいもの」、「適切なもの」、「最も適切なもの」を選択するとなっており、 「正しいもの」の選択が9問と最も多かった。
 出題内容を大項目別にみると「からだのしくみ」と「入浴・清潔の保持」から各2問、残り8問は「こころのしくみ」「食事」「排泄」「睡眠」「移動」「身じたく」「死にゆく人」に関する出題であり、出題基準がすべて網羅されている。
今回は、昨年のように受験者を悩ますような難解な問題は見当たらず、基礎的・基本的知識を問うもの(問97、問98、問99、問100、問101、問103、問107)が多かった。 また、過去問に類似した問題(問104、問102、問105)もあり、過去問や参考書により丁寧な学習を進めておけば、確実に得点につながったと思われる。
 今回この科目の難易度は昨年に比べると低くなった印象を受けた。
  総合問題  例年通り、4事例に対して各3問ずつの出題形式がとられている。今回の事例は、「障害者支援施設に入所した療育手帳(重度)を持つ36歳の男性」「介護者である夫の入院により、病院の併設施設に入所した前頭側頭型認知症の65歳の女性」「訪問介護サービスを利用しながら在宅生活を継続する老老世帯」「放課後等ディサービスを利用しながら地元の小学校に通学するデュシェンヌ型筋ジストロフィーの8歳の男児」と、昨年同様、年齢、障害・疾病、住まいともに偏りなく広範な領域からの出題であった。総合問題全般の難易度については、出題基準に沿って各科目の学習を積み重ねていれば、それ程難解な問題ではなかったと思われるが、問題119については、「車いすを使用するようになっても最後まで自立できるADLとして正しいもの」という設問に戸惑った方も多かったのではないだろうか。年々、事例が個別的で具体的になっている。このことは、介護福祉士が利用者の個別性を支えながら必要かつ適切なケアが実践できるかという、専門職としての実践力が問われているのである。

 

Web自動採点