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第14回 精神保健福祉士国家試験 科目別分析【専門科目】

専門科目 分析
精神医学  精神医学について、幅広く学習していたかが問われる内容であった。昨年、出題されなかった統合失調症(問題4)や双極性感情障害(問題5)が出題された一方、今年は薬剤と副作用についての問題が出題されなかった。この科目10問を概観すると、精神医学についての基本的事項が身に付いているかを問うものが主流であったと思われる。
 精神症状についての用語の理解を問うものが問題1と問題6で出題された。これについては基本をきちんとおさえてあれば正解できると思われるが、問題6の解離症状については、正解の選択肢を判断するのがやや難しかったかもしれない。
 差がつきやすいと思われるのは神経性無食欲症(問題7)、アスペルガー症候群(問題9)、てんかん(問題10)などであるが、これらの内容についてもきちんと学習をしていたかが問われた。見慣れない語句があり、戸惑うこともあるかもしれないが、選択肢を1つずつ丁寧に吟味し、選択肢を絞っていくことが求められた。
 全体的には、昨年のような見慣れない語句が出題されることは少なく、比較的取り組みやすかったものと思われる。難易度としては基本~標準的なレベルといえる。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健学  精神保健および関連する領域について、多岐にわたった出題内容であった。アルコール関連問題(問題14)や薬物乱用(問題15)など、精神保健についての問題も出題されているが、WHOによる緩和ケアの定義(問題17)や児童虐待の最近の状況(問題18)のように、精神保健以外の領域についての関心や理解も求められた。
 問題16では、「文部科学省」による不登校や中途退学について出題された。児童に関連した問題が出題される傾向が続いているので、重点的に学習したかで差がついたものと思われる。また、精神保健学の科目では、統計データ問題がよく出題されているので、その点についても学習が必要であった。
 問題19では、東日本大震災についての問題が出題された。「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」の内容に目を通していなければならず、判断が難しかったかもしれない。
 設問全体を通し、出題範囲が幅広いことに加え、ウィンスロウの公衆衛生の定義(問題11)や、DARY(問題20)などといった見慣れない語句も多く、やや難しい内容であったものと思われる。
分析: 赤マル福祉事務局
精神科
リハビリテーション学
 出題傾向として、昨年に引き続き、援助技術的な内容(実践的な内容)よりも知識を重視する傾向がみられた。中でも、問題22のICDや、問題24のREHABについては、きちんと学習していたかが問われるものであった。また、問題21で入院患者の統計データ問題が出題されているが、今年は、精神科リハビリテーション学で出題された。
 問題23では、障害者自立支援法について、「精神保健福祉法」に規定されていた精神障害者社会復帰施設と結び付けて出題されており、総合的な理解が求められた。
 問題26では地域移行支援施策について、最近の動向についてもチェックできていたかが問われた。
 事例問題については、問題28では社会資源について問われたが、選択肢中の用語の理解を踏まえた上で回答することが求められた。また、問題29では拒否的なクライエントである、ということが前提となっているので、注意が必要であった。
 「精神科リハビリテーション学」については、きちんと学習していたかで差がつくものと思われる。国家試験に向け、テキストをきちんと読むことと、過去問演習を繰り返し行うことを積み重ねることが必要不可欠である。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健福祉論  精神保健福祉に関する理念や歴史、関連法規、諸制度など、出題範囲は多岐にわたっていた。出題内容としては、精神保健福祉法の精神医療審査会及び入院形態や入院処遇、精神保健福祉法の変遷、精神保健福祉士法、医療観察法、障害者自立支援法などであり、例年出題されている内容が大半を占めた。また、昨年と同様、就労支援に関する問題が多く出題(問題43・47・48)されたほか、障害年金(問題44)といった経済的な問題もについてもおさえておきたい内容であった。
 事例問題については3問×2セット、計6問が出題された。事例文の内容を踏まえた上で、活用できる社会資源は何かや、他職種との連携などについて問われており、総合力が必要とされるものが大半を占めた。
 全体的には、出題傾向は大きく変わってはおらず、精神保健福祉士として実務につくにあたり、確実に身につけておくべき内容が問われている。頻出事項をはじめとした、基本的な事項を理解できていれば正解できる問題も多く、学びを十分に深めた方にとっては、かなりの高得点となるのではないだろうか。全20問を通して、難易度は例年並みであったものと思われる。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健福祉
援助技術
 精神保健福祉援助技術について広く問われる内容であった。出題内容としては、第三者評価、リカバリー、面接技法、間接援助技術、社会資源の活用、就労支援、SST、グループワーク、ピアスーパービジョン、ソーシャルアクションなど、多岐にわたっていた。問題52の新たに明確化された精神保健福祉士の業務についての問題は、最近の法改正について問われた。また、問題53では研究発表について問われているが、精神保健福祉士に求められる倫理観に照らして判断できたかがポイントとなった。全体を通し、昨年と比較して、用語の理解を必要とする問題が増加したように思える。このため、ぬかりなく学習を積み重ねてきたか否かが問われる内容であった。
 事例問題については、3問×4セット、計12問が出題された。昨年同様、単純にクライエントへの対応を理解できていたかが問われるものは少なかった。また、問題80では社会調査について出題されていたが、これらの内容についての理解も必要であった。全体を通し、精神保健福祉士としての実践の場において活用すべき社会資源の内容についての理解や、精神保健福祉士としての視点がきちんと身についているかが問われた。
分析: 赤マル福祉事務局

 

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