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第13回 精神保健福祉士国家試験 科目別分析【専門科目】

専門科目 分析
精神医学  精神医学について、幅広く学習していたかが問われる内容であった。受験者の多くが最初に取り掛かると思われる科目であるが、問題1、2と人名問題が続き、不意を突かれたのではないだろうか。時間をロスしないよう注意が必要であった。
 問4では、選択肢1のBPRSや選択肢2のSTAIなど、見慣れない語句があり、戸惑った受験生も多かったかもしれない。バウムテストが投影法であることを理解できていたかがポイントであるが、見慣れない選択肢以外の内容を理解できていれば正解できることもあるので、あきらめずに問題に取り組むことが大切である。
 問7ではシュナイダーの一級症状について出題された。統合失調症についての内容ではあるが、過去問での出題実績がないせいか、難しく感じたようだ。学習していたかどうかで差がつく問題の1つであった。
 問10では、薬剤と副作用についての問題が出題された。昨年も治療薬について出題されており、精神保健福祉士として、精神疾患への理解だけでなく、薬への理解が求められる内容であった。
 全体的には、出題範囲が多岐にわたり、過去問で出題されたことのない語句も見られたこことからも、難易度の高い科目であったと思われる。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健学  自殺対策基本法や自殺対策白書、児童虐待防止法、DV防止法、健康日本21、アルコール関連などからは例年出題されているが、今年度も当該法律等について基本的な内容を問うており、それぞれの特徴を理解していれば回答できる問題であった。
 また設問14は、厚生労働省による患者調査から読み取ることのできる特徴を押さえていれば判断できる問題であるが、他の設問においても患者調査からその正誤を確認できる記述がいくつか見られた。疾病や年代ごとの人数の推移などを、患者調査において確認しておくことも重要であるといえる。
 また、学校保健安全法からの出題があったように、各設問を通して子どもや若者に関する記述が多く見られた。各種調査や報告の数値的な特徴なども押さえた上で、児童生徒や若者について、各種調査等の枠組みを超えた体系的な理解が必要とされている。
 設問全体を通して各種法令、福祉施策等がどういった目的をもって変遷しているのかといった、方向性や理念等に照らし合わせれば、設問中の間違いを判断できる問題が多くあったといえる。
分析: 赤マル福祉事務局
精神科
リハビリテーション学
 出題傾向については昨年と大きく変わりはなかった。精神科リハビリテーションについて、援助技術的な内容(実践的な内容)よりも知識を重視する傾向がみられた。中でも、問題21の施設症、問題24のGAF、問題26の精神科ナイトケアについては、きちんと学習していたかが問われるものであった。
 問題25の家族心理教育についての問題は、実践的な内容であった。比較的容易に正解できる内容なので、ミスしないよう注意したい。確実に得点すべき問題を誤ってしまうと、命取りになってしまうこともある。
 問題27は職業リハビリテーションについての問題であった。ここ最近、就労支援を重視する傾向が見られる。精神科リハビリテーションに限らず、他の科目でも出題される内容であり、重点的に学習が必要となるものであった。
 事例問題については、選択肢中の用語の理解を踏まえた上で回答しなければならず、難易度が高いものと思われる。特に、問題29と30については、用語の理解を踏まえた上での支援や調整業務について問われており、総合力が求められた。
 この科目については、きちんと学習していたかで差がつくものと思われる。国家試験に向け、テキストをきちんと読むことと、過去問演習を繰り返し行うことを積み重ねることが必要不可欠である。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健福祉論 問題は例年通り20問(事例2題:6問)であった。
 個別の設問についてだが、「国連決議:1問」、「障害者の定義:1問」、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下:精神保健福祉法):5問」、「日本及び諸外国の歴史:3問」、「精神保健福祉士法:1問」、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下:医療観察法):1問」、「障害者自立支援法:1問」、「年金・税金・手当関係:3問」、「雇用及び就労関係:4問」で出題しやすい分野からまんべんなく出題されたと言える。特に前回に続き、雇用及び就労関係の問題が多く出題された。
 過去3年から5年の問題と比較すると特に国連決議、精神保健福祉法の精神医療審査会及び入院形態や入院処遇、精神保健福祉法の変遷、精神保健福祉士法、医療観察法、障害者自立支援法、雇用及び就労関係については必ずと言っていいほど出題されている。また、年金や税金等の経済的な問題も今後は抑えていく必要がある。
 問題の傾向が全て「正しいものを一つ選べ」という問題に変わったことから、基本的な問題が多かった印象を受けた。基本的な事項を理解した方については、解きやすい問題だったのではないだろうか。今後も上記に記載した項目からの問題が出題されると予想されるため、まずは基本的な事項を理解し、その上で深く理解することをお勧めする。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健福祉
援助技術
 精神保健福祉援助技術について広く問われる内容であった。出題内容としては、倫理綱領、グループワーク、社会資源、コンサルテーション、ACTなど、多岐にわたっており、きちんと知識として理解しておくことも必要といえる。問題58の精神障害者就職サポーターは新出問題であったせいか難しく感じた受験者もおおかったかもしれない。それ以外の問題については、標準的な内容であり、取り組みやすかったものと思われる。国家試験に臨むにあたり、ぬかりなく学習を積み重ねておくことが重要なことである。
 事例問題については、3問×4セット、計12問が出題された。問題の中には、事例文や選択肢文だけでは判断がつきにくい問題が見られ、難しく感じた受験者も多かったようだ。内容としては、精神保健福祉士としての視点を理解できているかが問われるが、単純にクライエントへの対応を理解するだけでなく、精神保健福祉に関連する制度や社会資源についての理解も必要であった。
分析: 赤マル福祉事務局

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