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福祉サービスの組織と経営

ここ数年の出題傾向をみても、過去問にしっかり取り組むことで高得点を確保することができました。基本をしっかりと身につけておくことが何より大切です。

今回のテーマは「特定非営利活動法人」です。
「福祉サービスの組織と経営」の科目に限らず、共通科目「現代社会と福祉」「地域福祉の理論と方法」などでも出題されます。例年の国家試験をみても、科目横断的な出題内容も見られました。精神保健福祉士の国家試験を受験される方も是非おさえておきたいところです。

では始めましょう。
特定非営利活動法人の活動分野のうち、最も多いもの2つは何でしょうか?

それでは確認です。

1.保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2.社会教育の推進を図る活動

平成28年3月31日までに認証を受けた50,867法人のうち、
最も多いのが「保健、医療又は福祉の増進を図る活動(第1号)」29,852法人(58.7%)
次いで「社会教育の推進を図る活動(第2号)」24,436法人(48.1%)
ちなみに、3番目は「前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動(第19号)」23,848法人(46.9%)
となっています。

( )内の第1号などは、特定非営利活動促進法 別表のものです。

 続いて、「特定非営利活動法人」の内容について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。
社会福祉士 第24回 問題112を解いてみましょう。

特定非営利活動法人制度に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 特定非営利活動法人は、その主たる目的を、宗教の教義を広める活動とすることはできないが、政治上の主義を推進する活動とすることはできる。
2 特定非営利活動法人の社員(法人の構成員)は、10名以上であるとともに、社員の資格の得喪について不当な条件を付さずに、加入脱退の自由を保障する必要がある。
3 特定非営利活動法人の業務は、定款で社員総会の決議によるとしたものを除き、すべて理事会の決議によって行う。
4 特定非営利活動法人の理事は、当該法人から報酬を受け取ることはできない。
5 特定非営利活動法人が解散する場合、残余財産は、法人の開設者に帰属させることができる。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。

・選択肢1: 法第2条第2項より、「宗教の教義を広める活動」「政治上の主義を推進する活動」いずれも認められていません。(法第2条第2項)
・選択肢2: これが正解です。法第2条第2項より、「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと」と規定されています。
・選択肢3: 法第14条の5より、「定款で理事その他の役員に委任したものを除き、すべて社員総会の決議によって行う」と規定されています。
・選択肢4: 法第2条第2項より、「役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること」と規定されています。このため、報酬を受け取ることは可能です。
・選択肢5: 残余財産は、定款で定めるところにより、その帰属すべき者に帰属するとしています。法第11条第3項より、残余財産の帰属すべき者を、特定非営利活動法人のほか、国又は地方公共団体、公益社団法人又は公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、としており、法人の開設者は含まれていません。

この問題と合わせて理解しておきたいポイント事項を整理しておきます。

・特定非営利活動法人を設立するためには、
法律に定められた書類を添付した申請書を、所轄庁に提出し、設立の「認証」を受けることが必要です。
「認可」ではないので要注意。
認証主義の採用により、設立の手続きを簡易・迅速化しています。

・それ以外に、理解しておくと良い内容として、
役員…理事3人以上、監事1人以上
社員(法人の構成員)…10名以上
社員の資格の得喪について不当な条件を付さずに、加入脱退の自由を保障する必要がある
なども合わせて理解しておきましょう。

この問題は特定非営利活動促進法を根拠とした出題となっています。
法令の条文を読むのを苦手とされている方も多いと思いますが、実際の国家試験では、条文をもとにした出題も多いです。条文をしっかり読むことで得点力アップにつながります。
試験勉強をしていて、解説文中に法令が出てきた場合には、条文にも目を通すようにしましょう。