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相談援助の理論と方法

この科目は問題数が21問と多いですが、取り組みやすい内容が多く、合格のためには、この科目で高得点を取ることが必要不可欠といえます。

今回のテーマは「バイステックの7原則」です。
これは、事例問題を解く際、選択肢の○×を判断するときの根拠にもなります。
社会福祉士の専門科目としていますが、精神保健福祉士を受験される方もぜひ理解しておきたい内容です。

では始めましょう。

バイステックの7原則とは何でしょうか?
7つの項目を挙げてみてください。

それでは確認です。

個別化、意図的な感情表出、統制された情緒的関与、受容、非審判的態度、自己決定、秘密保持

これらの7つの項目は確実に覚えておきましょう。

続いて、バイステックの7原則の内容について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。

社会福祉士 第24回 問題99を解いてみましょう。

バイステック(Biestek,F.)による援助関係の原則に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 「非審判的態度の原則」とは、判断能力が不十分なクライエントを非難することなく、ソーシャルワーカーがクライエントの代わりに意思決定を行うことである。
2 「自己決定の原則」とは、クライエントの心情を感じ取ってほしいという要求に応えて、クライエントの訴えや気持ちを確実に受け止める準備をすることである。
3 「統制された情緒的関与の原則」とは、ソーシャルワーカーが自らの感情を自覚、吟味して、クライエントの感情に対して適切に反応することである。
4 「受容の原則」とは、ソーシャルワーカーがクライエントに受け入れてもらえるように、誠実に働きかけることである。
5 「意図的な感情の表出の原則」とは、ソーシャルワーカーのクライエントに対する肯定的な感情を、クライエントに対して意図的に表現することである。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。

・選択肢1:「非審判的態度の原則」とは、ソーシャルワーカーが自分の倫理観や価値観のみで、クライエントを裁いたり、一方的に非難してはならない、という原則をいいます。
・選択肢2:「自己決定の原則」とは、利用者自身の生活、人生についての選択・決定は利用者自身でなされるのであって、援助者ではない、ということをいいます。
・選択肢3:これが正解です。「統制された情緒関与の原則」とは、クライエントが怒りや不満、非難といった否定的な感情表現をした場合であっても、ワーカーは動揺することなく冷静に受け止め、自己の感情をコントロールしながら落ち着いた対応をすることをいいます。
・選択肢4:「受容の原則」とは、利用者の態度や行動を、道徳的・感情論的な立場から、批判・是認などせず、あるがままに受け入れることをいいます。
・選択肢5:「意図的な感情表現」とは、利用者が感情をうまく表現できないでいる場合、援助者は利用者が自由に自己の感情を表現できるよう意図的に働き掛けることをいいます。
したがいまして、正解は3となります。
選択肢3の「統制された情緒的関与の原則」、選択肢5の「意図的な感情の表出の原則」は混同しないよう注意が必要です。
問題を解く→解説を読む の流れで理解を深めていきましょう。

この問題出題されていない「個別化の原則」「秘密保持の原則」も含め、
バイステックの7原則の重要事項を整理すると、次のようになります。

  • 個別化…利用者を個人としてとらえる
  • 意図的な感情表出…クライエントが自己の感情を気兼ねなく表現できるように援助者が関わる
  • 統制された情緒的関与…ソーシャルワーカーが自らの感情を自覚、吟味して、クライエントの感情に対して適切に反応すること
  • 受容…クライエントのありのままの姿を、道徳的批判等を加えずに受け止める
  • 非審判的態度…援助者が自分の倫理観や価値観のみで、利用者を一方的に非難してはならない
  • 自己決定…クライエント自身の生活における選択をする際に、その選択肢を選ぶ最終的な判断をクライエント本人にしてもらうという原則
  • 秘密保持…クライエントから知りえた事柄の守秘義務

バイステックの7原則についても国家試験で出題される内容の一つです。
また、国家試験の事例問題でもバイステックの7原則が判断の根拠となります。
しっかりとおさえておきましょう。