各科目ワンポイントアドバイス社会調査の基礎

社会調査というものに対し、苦手意識を持たれている方も多いのではないのでしょうか?
毎年繰り返し出題されている用語を理解することが、国家試験対策の第一歩です。

今回のテーマは「尺度水準」です。
精神保健福祉士の国家試験を受験される方も「精神保健福祉に関する制度とサービス」の中で出題されるようになっています。
是非、この内容について理解を深めておくことをお勧めします。

では始めましょう。
変数の尺度水準は4種類あります。ご存じでしょうか?

それでは確認です。

名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度

まずは、これら4つの用語を理解しましょう。用語をきちんと理解することで点数が取れるようになります。
続いて、「尺度水準」について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。

社会福祉士 第32回 問題87を解いてみましょう。

量的調査の測定尺度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 名義尺度は、代表値を求めることはできない。
  2. 順序尺度は、測定値の大小や優劣を意味しない。
  3. 間隔尺度は、測定値の間隔を数量的に表現できない。
  4. 比例尺度は、数値の間隔が等しいだけでなく数値の比も意味を持つ。
  5. 名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度は、いずれも標準偏差を計算することに数量的な意味がある。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?

この科目は苦手意識を持っている方も多いと思います。
今回は、選択肢ごとのポイントの前に、「尺度水準」の最重要事項を整理しておきます。

  • 名義尺度…
    「男・女」のような対象を区別するもの。
    最頻値・中央値・平均値のうち、「最頻値」のみ求めることができる。
  • 順序尺度…
    「良い・普通・悪い」のような大小関係に意味があるもの。
    最頻値・中央値・平均値のうち、「最頻値」と「中央値」を求めることができる。
  • 間隔尺度…
    「カレンダーの日付や温度」など変数の間隔、つまり値の差が意味を持つ量を意味するもの。
    最頻値・中央値・平均値は、すべて求めることができる。
  • 比例尺度…
    「身長や体重」のように、「2倍」になったなど、比が意味を持つ尺度。
    最頻値・中央値・平均値は、すべて求めることができる。

それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。さきほどの最重要事項と合わせて確認していきましょう。

選択肢1:
名義尺度では、代表値(最頻値・中央値・平均値など)のうち、最頻値を求めることができます。
選択肢2:
順序尺度とは、大小関係や優劣関係を意味する尺度です。
選択肢3:
間隔尺度とは、大小関係に加えて「差」にも意味がある尺度です。
選択肢4:
これが正解です。比例尺度とは、大小関係にも、差にも、比にも意味があるような尺度です。
選択肢5:
標準偏差を計算することに数量的な意味があるのは、間隔尺度と比例尺度です。

これより、正解は4となります。
問題を解く→解説を読む を繰り返し、ポイント事項を整理していくことが大切です。