各科目ワンポイントアドバイス保健医療サービス

この科目は、保健医療サービスに関連する制度や医療ソーシャルワーカーなどについて出題されます。
学習しにくい科目のひとつと感じていらっしゃる方もいるのではないのでしょうか?

今回のテーマは「医療保険制度」です。
医療保険制度は共通科目「社会保障」でも出題されますが、国家試験に合格する上で確実に理解しておきたい内容の1つです。

では始めましょう。
被保険者が業務外の傷病により労務不能となった4日目から最長1年6ヶ月、1日に付き標準報酬日額の3分の2相当額を所得補償として現金給付する制度を何というでしょうか?

それでは確認です。

傷病手当金

傷病手当金もねらわれやすい内容の一つです。わからなかった方は必ず復習しておきましょう。 続いて、医療保険制度について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。

社会福祉士 第31回 問題70を解いてみましょう。
精神保健福祉士の方は、第21回 問題70となります。

日本の公的医療保険の給付内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 療養の給付に係る一部負担金割合は、被保険者が75歳以上で、かつ、現役並み所得の場合には2割となる。
  2. 高額療養費の自己負担限度額は、患者の年齢や所得にかかわらず、一律に同額である。
  3. 食事療養に要した費用については、入院時食事療養費が給付される。
  4. 出産育児一時金は、被保険者の出産費用の7割が給付される。
  5. 傷病手当金は、被保険者が業務上のケガで労務不能となった場合に給付される。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。

選択肢1:
被保険者が75歳以上の療養の給付に係る一部負担金割合は1割となっていますが、現役並み所得の場合は3割となります。
選択肢2:
高額療養費の自己負担限度額は、年齢と所得により決められています。一律に同額ではありません。高額療養費制度とは、医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度をいいます。
選択肢3:
これが正解です。入院時食事療養費は、入院時に療養の給付とあわせて食事の提供を受けたときに給付されます。
選択肢4:
出産育児一時金は、被保険者及びその被扶養者が出産した時、1児につき42万円が支給されます。被保険者の出産費用の7割ではありません。
選択肢5:
傷病手当金は、被保険者が業務外の傷病により労務不能となった場合に給付されます。業務上のケガではありません。

基本をしっかりとおさえることで、国家試験で合格するために必要な理解がどんどん広がっていきます。○×を判断するためのポイントに着目することが何より大切です。
理解できなかった選択肢についても、問題を解く→解説を読む を繰り返し、少しずつ理解を深めていきましょう。