社会福祉士国家試験情報第35回 社会福祉士国家試験 結果速報・分析
正答と合格基準について
受験者 | 36,974人 |
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合格者 | 16,338人 |
合格率 | 44.2% |
合格基準点 | 90点(150点満点中) |
不適切問題 | 問題76 |
第35回 社会福祉士国家試験 |
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国家試験正解一覧 (PDF) |
合格基準点・合格者数など (PDF) |
受験者数は3万7,000人ほどと、前回より2,400ほど増加し、第29回以来の増加に転じました。一方、合格者は、1万6,300人ほどと、前回より5,600人ほど増加し、過去最多の合格者数となりました。
さて、合格基準点についてですが、前回に引き続き100点を超えるのだろうか?気になった方も多かったと思います。
今回は90点。ちょうど6割でした。
前回の105点から、15点下がりました。
なお、共通科目免除の場合の合格基準点は41点(67点満点)であり、得点率はおよそ62%となりました。
受験者全体の合格率につきましては44.2%であり、こちらも過去最多となりました。
今回の国家試験は、合格基準点を90点とし、合格者・合格率が大幅に上がった、という試験結果となりました。
しかしながら、受験された方々の多くが、合格発表まで不安な日々を過ごしたのも事実です。国家試験を終え、赤マル福祉の自動採点サービスをご利用いただいた方の感想を聞いてみましても、「90点台後半だからたぶん落ちただろう」「100点台後半だったけど合格発表まで不安で仕方ない」なんて声も聞かれました。
良い点数が取れた方を合格にする、という試験結果になったことについては、努力が報われる試験制度ともいえるものであり、評価すべきことです。
しかしながら、(問題の難易度にも左右されるとはいえ)大きく変動する合格基準点に振り回されてしまう受験者のことを思いますと、国家試験に受験される方々を支援する者の一人として、引き続き、より良い試験制度となることを願うばかりです。
なお、国家試験終了直後に、赤マル福祉が発表した解答速報ですが、不適切問題となった問題76を除き、試験センターから正式に発表された正解の間には、1問の差異も生じませんでした。
結果講評
【共通科目】
1.出題形式
共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も例年通りでした。また、「2つ」選ぶ問題は8問と、昨年より5問増加しました。なお、単文事例については全部で11問出題され、昨年より1問減少しました。科目によって多少の出題数の変動がみられますが、「権利擁護と成年後見制度」で3問出題されたのが特徴的でした。
2.出題内容
共通科目全体を通してみると、見慣れない語句や内容に関する出題は少なかった印象を受けます。問題23のフェビアン社会主義やコミュニタリズム、問題81の日常生活自立支援事業実施状況といった過去に出題のない語句もみられましたが、こういった新傾向の問題は多くありませんでした。
共通科目では、地方財政白書(問題44)や生活保護の被保護者調査(問題63)、国民医療費の概況(問題71)といった統計データ問題がよく出題されますが、過去問を繰り返し解き、重要事項をおさえていたかが問われ、点数を上乗せしておきたい出題内容でした。
共通科目は0点科目のリスクが高い傾向にありますが、各科目とも確実に正解してほしい問題が含まれており、基本事項を疎かにすることなく点数を取りこぼさないことが合格するためには必要不可欠といえます。
3.全体概況
共通科目に苦手意識を持つ方も多いと思いますが、確実に正解してほしい問題も多く見られました。1点でも多くの点数を取るためにも、「過去問学習の重要性に変わりはない」といえる出題内容でした。
難易度が気になる方も多いと思いますが、前回の合格基準点は、過去に前例のない高い点数となりました。点数が取りやすい=合格しやすい、とはいえず、前回の試験より点数が取りやすい傾向にあったかどうかについては、赤マル福祉のWeb自動採点にて精緻な集計結果を表示しますので、ぜひこちらをご活用ください。
(2023/02/05 16:30公開)
【専門科目】
1.出題形式
専門科目についても、問題数は全67問で、科目別の問題数も例年通りでした。「2つ」選ぶ形式の問題については12問出題され、昨年より1問減少しました。専門科目については、第30回以降、10問以上の出題が続いています。また、単文事例については17問出題され、昨年の19問から2問減少しました。
2.出題内容
専門科目につきましては、問題のほとんどが過去に出題された語句からの出題であり、一部に深く掘り下げた問題も見られましたが、頻出問題もかなり見られました。見慣れない語句に関する出題としましては、問題144の「パートタイム・有期雇用労働法」など少数でした。また、目新しい出題形式としては、問題97のピンカスとミナハンの「4つの基本的なシステム」の事例問題などがありました。この問題では、知識を元に事例文にあったものを選ぶといった出題でしたが、専門科目全体を通し新傾向の問題は多くはありませんでした。
3.全体概況
社会福祉士の専門科目については、共通科目よりも点数が取りやすいというのが例年の傾向ですが、今回の試験も同様の傾向となりました。
点数が取りやすい問題が多いということは、そこでのミスが合否を大きく左右する、ということを意味します。基本問題は過去に出題された試験問題に類似した内容も多く、過去問対策をしっかり取り組んできたかが問われる出題内容でした。
国家試験を受験された皆様は、今日の試験に向けて努力を続け、あきらめずに戦い抜いてきたのです。
ここまで辛く苦しいこともあったと思います。ぜひご自身をねぎらってください。
本当にお疲れさまでした。
(2023/02/05 18:00公開)