社会福祉士国家試験情報第32回 社会福祉士国家試験 結果速報・分析
正答と合格基準について
今回の試験結果の概要は次のようになります。
受験者 | 39,629人 |
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合格者 | 11,612人 |
合格率 | 29.3% |
合格基準点 | 88点(150点満点中) |
不適切問題 | なし |
第32回 社会福祉士国家試験 |
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国家試験正解一覧 (PDF) |
合格基準点・合格者数など (PDF) |
受験者数は前回(第31回)より2,000人ほど減少し、第29回以降、3年連続の減少となりました。合格者数は840人ほど減少し、全体の合格率は29.3%となりました。
合格基準点は88点であり、前回より1点下がりました。なお、共通科目免除の場合の合格基準点は37点(67点満点)であり、前回より2点低くなりました。
問題の出題内容ですが、一部の科目に新傾向の問題が集中したものの、問題全体を通してみると、出題頻度が高く、合格するためには確実に正解しておきたい問題も多く出題されました。合格するためには、これらの問題でミスなく確実に点数を積み重ねていくことが必要不可欠です。過去問学習を通して頻出事項や重要事項を見極めるとともに、テキストや参考書等で地道に復習を繰り返したかが試されました。
最近10年ほどの動向をみると、難易度が大きく変動した試験であっても、過去問学習を繰り返した方々が合格を勝ち取っています。出題内容や問題の難易度に動揺することなく、正解すべき問題で確実に点数を積み重ねるという点では本質的には大きな違いはなく、過去問学習の重要性に変わりはない、といえる試験結果でした。
結果講評
【共通科目】
1.出題形式
共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も例年通りであった。また、「2つ」選ぶ問題は6問と、昨年よりも1問増加した。前回の試験では、地域福祉で「2つ」選ぶ問題が4問出題され、科目間の偏りがみられたが、今回の試験では、1つの科目で「2つ」選ぶ問題が2問以上出題されていないのが特徴であった。なお、単文事例については全部で12問出題され、昨年と同様であった。科目によって多少の出題数の変動がみられたが、人体の構造から1問出題されたのは第26回(精神の方は第16回)以来であった。
2.出題内容
問題内容については、見慣れない語句や内容からの出題が例年と比べて増加した。
特筆すべきは「現代社会と福祉」であり、ニッポン一億総活躍プラン、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、持続可能な開発目標(SDGs)など、過去に出題実績のない語句が立て続けに出題された。この科目の出題数は10問であるが、半数以上が新傾向の問題であったため、0点科目とならないよう特に注意が必要な科目となった。
その一方で、残りの科目については一部に難易度の高い問題も含まれていたが、見慣れない語句や内容からの出題はあまり多くなく、基本事項をおさえておけば点数の取れる問題もかなり見られた。正解できたはずの問題でミスを頻発してしまうと合否に悪影響を及ぼすおそれもあり、引き続き過去問学習が重要であるといえる出題内容であった。
3.全体概況
共通科目全体を概観すると、社会福祉士として身につけておくべき理解度を評価する問題も多く見られた。しかしながら、一部の科目に新傾向の問題が集中するなど、例年と比較して難易度の高い問題が増加したため、共通科目全体の難易度については昨年並み~やや難化したものと思われる。
【専門科目】
1.出題形式
専門科目についても、問題数は全67問で、科目別の問題数も例年通りであった。「2つ」選ぶ形式の問題については11問出題された。昨年が17問と多かったことを考えると、例年並みに戻ったといえよう。また、単文事例については第28回以降、減少が続いている。今回の試験では全部で12問出題され、昨年より2問減少した。科目別内訳でみると、更生保護制度で1問出題されており、前々回(第30回)以来の出題であった。
2.出題内容
専門科目でも過去に出題実績のない語句が出題されたが、共通科目ほどではなかった。問題109のカデューシン、問題127の高齢者等に関する近年の政策の動向、問題134の厚生労働省の介護人材確保対策などであったが、参考書などで記載されているものもあるため、これらをチェックしていたかで差がついた可能性も考えられる。
実際に試験を受けた方の多くが、難易度の高い問題に注目しがちである。しかしながら、基本的な内容の理解であったり、頻出事項が問題の多くを占めていた。多くの方が共通科目よりも専門科目の方が点数を取りやすく感じていると思うが、今回の試験も同様の傾向となった。
日ごろから地道に努力を積み重ねてたかが試される問題も多く、過去問学習が重要であるという点では、例年通りの出題傾向であった。
3.全体概況
専門科目全体としては、点数の取りやすい問題も多く、「2つ」選ぶ形式の問題が減少したことより、難易度については昨年並み~やや取り組みやすい内容であったものと思われる。