社会福祉士国家試験情報第38回(令和7年度)社会福祉士国家試験 結果速報・分析

正答と合格基準について

試験日 令和8年2月1日(日)
受験者 25,430人
合格者 15,438人
合格率 60.7%
合格基準点 50点(129点満点中)
不適切問題 なし
第38回 社会福祉士国家試験
国家試験正解一覧 (PDF)国家試験正解一覧 (PDF)
合格基準点・合格者数など (PDF)合格基準点・合格者数など (PDF)

 受験者数は2万5,000人ほどと、前回より2,200人ほど減少しました。一方、合格者は1万5,000人ほどと、前回より100人ほど減少しました。

 さて、合格基準点についてですが、今回は何点になるのだろうか?気になった方も多かったと思います。
 合格基準点は50点。得点率にすると39%となりました。
 なお、共通科目免除の場合の合格基準点は17点(45点満点)であり、得点率はおよそ35%となりました。
 受験者全体の合格率につきましては60.7%であり、今回初めて60%を超える水準となりました。

 今回の国家試験は、新カリキュラムとなって二度目の国家試験でした。
 出題内容や傾向がどうなるのかといった不安を感じながら受験された方もいらっしゃったと思います。ここに追い打ちをかけるような、例年にないような難易度の非常に高い問題が数多く出題されたこともあり、受験された方々から、絶望や悲鳴の声が多数聞かれました。
 不安や諦めなどの感情を抱きながらも合格発表を迎えた方も多かったのではないのでしょうか?
 今回の試験結果を見ますと、全体の合格率は6割を超え、過去最高水準となりました。
 その一方で合格基準点は50点、難易度で調整するとはいえ、4割をも下回る点数が合格基準点となったのは、過去に例がありません。
 今回の試験問題を見ますと、難易度が非常に高い出題内容でした。例年と比べて頻出事項からの出題数は減少したとはいえ、これらの問題で確実に点数を取ることが求められました。また、過去に出題実績のないものからの出題も多く、選択肢文を読んで、明らかに誤りであるものを減らし、選択肢を1つでも多く絞り込めたか、日々の学習で培われた力を駆使し、正解に少しでも近づけるような姿勢も試されました。
 受験された皆様が難問・奇問に果敢に挑んだことに敬意を表したい、というのが率直な想いです。

 試験終了後に各社が公表している解答速報を見ましても、見解の分かれる問題も多く、専門家の間でも判断に迷う問題もありました。
 果たして、このような難易度で社会福祉士の有資格者としてふさわしいか否かを適正に評価できるのだろうか?大学や養成校等で学んだ重要事項を的確に理解できているかを問うような出題を増やすなど、次回の国家試験では改善していただけることを切に願うばかりです。

(正解と赤マル福祉自動採点で見解が異なったものについて)

【共通科目】
・問題47
災害時の福祉支援体制の強化についての事例問題でした。
解答速報では、「災害時における避難行動要支援者への福祉支援を強化」「アウトリーチ」といった記述から選択肢2が適切と判断しましたが、試験センターの発表では、選択肢1が正解となりました。選択肢1つずつをよく吟味し、より適切であるか否かを判断する力が求められました。

・問題51
事例を元に、地域包括支援センターの社会福祉士が連携すべき相手を選ぶ出題でした。
事例文中ではCさんが生活に困窮しているといったような直接的な記述がないため解答速報では選択肢3としていましたが、選択肢5の生活困窮者住居確保給付金の担当者の方がより適切である、というのが出題意図であり、それを汲み取れたかが問われました。

・問題71
エコマップについての出題でした。
エコマップは、クライエントを中心に置き、家族や関係者を図式化して示したものであるため、解答速報では選択肢5としていました。判断の難しい問題ではありますが、試験センターの発表より、介入前後でエコマップがどのように変わるのかといった、変化を確認するためにも活用できるという、選択肢2が正解となります。

【専門科目】
・問題92
外国籍の家族への対応についての事例問題でした。解答速報では各社3としていましたが、こども家庭課についての説明や情報共有よりも、今度も何か気になることがあれば連絡してほしいと伝えることが最も適切というのが出題意図であり、それを汲み取れたかが問われました。

・問題112
 呼吸器の障害がある高校生の修学旅行についての事例問題でした。
 解答速報では学校関係者がBiPAPの対応について事前に学ぶことが適切と判断し、選択肢3としていましたが、医学的根拠に基づき主治医の見解を求めることの方がより適切である、というのが出題意図であり、それを汲み取れたかが問われました。

・問題122
 ソーシャルワークの支援に関する出題でした。
 解答速報では、「偏った行動を変える」「思考プロセスの変化」といった記述から選択肢4が適切と判断しましたが、試験センターの発表では、選択肢1が正解となりました。パーソン・センタード・アプローチについて正しく理解できているかが問われる出題内容でした。

これら6問につきまして、正解の選択肢を選ぶことができなかったことにつきまして、お詫び申し上げます。

結果講評

【共通科目】

1.出題形式

 共通科目の問題数は全84問、科目別の問題数も、昨年と同様でした。
 「2つ」選ぶ問題は27問と、昨年(15問)と比較して大幅に増加し、前回と比べて2倍近い出題数となりました。「2つ」選ぶ形式特有の難しさも相まって、問題全体の難易度を押し上げる一因になったものといえるでしょう。
 事例問題は28問出題され、昨年(26問)からやや増加しました。事例問題が全体の約3分の1を占め、「社会学と社会システム」で初めて事例問題が出題された点も含め、読解力や状況把握力がこれまで以上に求められる構成でした。

2.出題内容

 共通科目全体を通してみると、昨年以上に目新しい出題や、見慣れない語句が多くみられた点が大きな特徴といえます。単に用語を知っているかどうかを問うものではなく、既知の語句であっても、かなり踏み込んだ内容や、これまでとは異なる角度からの出題が目立ちました。
 こうした新傾向は、試験序盤の科目で特に顕著であり、受験者によっては早い段階で戸惑いや難しさを感じたのではないでしょうか。一方で、科目が進むにつれて、例年通りの定番テーマや過去に繰り返し出題されてきた内容からの問題も散見されました。このため、難易度の高い問題に振り回されるのではなく、確実に得点すべき問題を見極め、着実に点数を積み重ねられたかどうかが、結果を左右した試験であったといえます。

3.全体概況

 今回の共通科目は、ここ数年と比較して難易度が高く、多くの受験者が思うように点数を伸ばせなかった可能性があります。実際に試験を受けた方の中には、途中で強い不安や焦りを感じた方もいらっしゃったかもしれません。
 しかし、知らない内容が出題されたからといって思考を止めてしまうのではなく、選択肢を一つひとつ丁寧に読み、「明らかに誤っているもの」をどれだけ除外できたかが問われる試験でもありました。完璧に理解していなくても、これまでの学習の積み重ねによって培われた判断力や基礎知識を活かすことで、部分点的に拾える問題も少なくなかったと考えられます。
 総じて、本試験は受験者の知識量だけでなく、思考力や冷静さを含めた総合的な実力が試される内容であったといえるでしょう。
(2025/02/02 09:00公開)

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【専門科目】

1.出題形式

 社会福祉士 専門科目の問題数は全45問、科目別の問題数も、昨年と同様でした。
「2つ」選ぶ問題は21問出題され、昨年の17問より増加しました。今後も同程度の出題が見込まれるため、確実に形式を意識した解答練習が重要となります。
事例問題は21問出題され、昨年の23問より若干減少しましたが、科目別の出題数は昨年と大きく変わらず、引き続き事例を通じた判断力が求められました。

2.出題内容

 専門科目についても、共通科目と同様、昨年以上に目新しい出題や見慣れない語句からの出題が目立ちました。初見の用語に戸惑った受験生も多かったと思われます。
 一方で、テキストや参考書で見たことのある語句に関する出題も一定数あり、基本事項を確実に理解し、関連知識まで学びを深めていたかが問われる内容でした。知識の暗記だけでなく、背景や概念を踏まえて選択肢を吟味する力が必要となる試験であったといえます。

3.全体概況

 社会福祉士国家試験の専門科目についても、ここ数年の中で難易度は高かったといえます。共通科目に引き続き、追い打ちをかけるように目新しい語句や出題が見られ、受験生にとっては厳しい試験となりました。
 しかし、このような状況でもあきらめることなく、選択肢を1つずつ丁寧に吟味し、確実に正解できる問題を積み上げられたかが試されたといえます。難問に左右されすぎず、基礎を軸に対応する姿勢が重要でした。

 受験された皆様は、合格を目指し努力を続けてきたことと思います。例年にない難易度の高い問題に果敢に立ち向かったのです。
 試験勉強をしていてつらく苦しい日々もあったと思いますが、ぜひご自身をねぎらってください。
 本当にお疲れさまでした。
(2025/02/02 09:00公開)

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