社会福祉士国家試験情報第36回 社会福祉士国家試験 結果速報・分析
正答と合格基準について
今回の試験結果の概要は次のようになります。
受験者 | 34,539人 |
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合格者 | 20,050人 |
合格率 | 58.1% |
合格基準点 | 90点(150点満点中) |
不適切問題 | なし |
第36回 社会福祉士国家試験 |
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国家試験正解一覧 (PDF) |
合格基準点・合格者数など (PDF) |
受験者数は3万5,000人ほどと、前回より2,500人ほど減少しました。一方、合格者は2万人ほどと、前回より3,700人ほど増加し、昨年に引き続き、過去最多の合格者数となりました。今回、初めて2万人を超える合格者となったことも特筆すべき点といえる試験結果となりました。
さて、合格基準点についてですが、今回は何点になるのだろうか?気になった方も多かったと思います。
今回も、前回に引き続き90点。ちょうど6割となりました。
なお、共通科目免除の場合の合格基準点は41点(67点満点)であり、得点率はおよそ62%となりました。
受験者全体の合格率につきましては58.1%であり、こちらも過去最多となりました。今回、初めて合格率が50%を超えたという点も、今回の試験を特徴づける試験結果といえます。
今回の国家試験は、前回に引き続き合格基準点を90点とし、昨年に引き続き、合格者・合格率が大幅に上がった、という試験結果となりました。
合格率、合格者数は、過去に前例のない高い水準となりましたが、今回の国家試験を受験された多くの方々にとって、試験終了から合格発表まで不安な日々を過ごされたことと思います。
合格できた皆様、本当におめでとうございます。努力して勝ち取った国家資格、ぜひ有効に活用していただけることを願っています。
今回の試験で残念な結果となってしまった方、来年、国家試験を受験される皆様は、ぜひ次回の試験で合格できることを願っています。
ここ数年の試験結果を見ますと、合格率や合格基準点が目まぐるしく変動しています。
しかしながら、今回・前回の試験結果を見ますと、2年連続で6割ちょうど(90点)が合格基準点となりました。おそらく、来年度以降の新カリキュラムでの国家試験でも、同様の流れになることが予想されます。
また、自動採点の集計結果を見ましても、ここ数年、点数が取りやすい問題が増加している、という傾向となっています。
過去に出題された試験問題を解き、そこからテキストや参考書等を見ながら重要事項を学んでいく、という過去問学習の重要性が変わることはありません。今回の試験結果は、これを裏付けるものとなりました。
なお、国家試験終了直後に、赤マル福祉が発表した解答速報ですが、試験センターから正式に発表された正解の間には、1問の差異も生じませんでした。
結果講評
【共通科目】
1.出題形式
共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も例年通りでした。また、「2つ」選ぶ問題は8問と、昨年と同様の出題数でした。なお、単文事例については全部で16問と、昨年より5問増加しました。ここ数年、11~12問であることを考えますと、大幅な増加となりました。また、問題39~41で3問連続した、というのは過去に例がなく特筆すべき点となりました。
2.出題内容
共通科目全体を通してみると、昨年同様、見慣れない語句や内容に関する出題は少なかった印象を受けます。主なものとしましては問題27の「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」などがありますが、知らない内容からの出題であっても、選択肢文から○×を判断できるたかが試されました。
最初の方の科目「人体の構造と機能及び疾病」~「現代社会と福祉」あたりまでは例年とは異なった出題傾向のように感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、「地域福祉の理論と方法」以降は比較的定番の内容からの出題が多かった印象を受けます。
今回の試験内容の特徴として、問題の中には、やや出題頻度が低いものからの出題も見られました。頻出事項と比較して点数が取りにくく、しっかりと試験対策を行ったか否かで差がつきやすいものと思われます。国家試験を受験された方の実力を適正に評価するという点からも、良問であったといえます。
3.全体概況
例年、共通科目に苦手意識を持つ方も多いと思いますが、来年度からの新カリキュラムでは共通科目・専門科目の枠組みが変わるため、その傾向が変わる可能性もあります。
共通科目全体を概観すると、手ごわい問題がある一方で、確実に正解してほしい問題も多く見られました。これらの問題でしっかりと点数を取ることが合格する上で必要不可欠であり、例年通り、過去問学習の重要性は揺るがない、といえる出題内容でした。
難易度が気になる方も多いと思います。また、前回の受験者全体の合格率は例年よりも高い水準となりました。点数が取りやすい=合格しやすい、とはいえず、前回の試験より点数が取りやすい傾向にあったかどうかについては、赤マル福祉のWeb自動採点にて精緻な集計結果を表示しますので、ぜひこちらをご活用ください。
(2023/02/05 16:30公開)
【専門科目】
1.出題形式
専門科目についても、問題数は全67問で、科目別の問題数も例年通りでした。「2つ」選ぶ形式の問題については昨年同様、12問出題されました。今回の試験問題から「2つ」の箇所に下線部が引かれるようになりましたが、見落として失点しないよう、引き続き注意が必要となります。また、単文事例については20問出題され、昨年の17問から3問増加しました。
2.出題内容
専門科目につきましては、昨年と同様、問題のほとんどが過去に出題された語句からの出題となりました。見慣れない語句に関する出題としましては、問題97のシュワルツの媒介機能、問題113の手段的事例と固有事例など少数でした。また、問題118のロスマンのコミュニティ・オーガニゼーションは第22回以来の出題であり、かなりご無沙汰、といった内容からの出題も見られました。
しかしながら、目新しい問題は多くなく、基本に忠実な問題が大半を占めていました。
3.全体概況
社会福祉士の専門科目については、共通科目よりも点数が取りやすいというのが例年の傾向ですが、今回の試験も同様の傾向になるものと思われます。
専門科目に限らず共通科目でもいえることですが、この国家試験では頻出事項からの出題も多く、ここで確実に点数を取ることが合格する上で何より大切です。普段の地道な努力に勝るものはなく、過去問学習が重要であるという点では、例年通りの出題傾向といえます。
国家試験を受験された皆様は、今日の試験に向けて努力を続け、あきらめずに戦い抜いてきたのです。
ここまで辛く苦しいこともあったと思います。ぜひご自身をねぎらってください。
本当にお疲れさまでした。
(2023/02/05 18:30公開)