精神保健福祉士国家試験情報第23回 精神保健福祉士国家試験 結果速報・分析

正答と合格基準について

今回の試験結果の概要は次のようになります。

受験者 6,165人
合格者 3,955人
合格率 64.2%
合格基準点 94点(163点満点中)
なお、共通科目免除の場合…
44点(80点満点中)
不適切問題 問題36

 受験者数は6,200人ほどであり、第19回以降、4年連続の減少となりました。合格者数については4,000人弱となりましたが、合格率は64.2%と例年よりもやや高い水準となりました。

 合格基準点については前回(第22回)よりも4点上がり、94点となりました。なお、共通科目免除の方は前回よりも4点上がり、44点となりました。ここ数年の推移を見ますと、今回の合格基準点は高い水準であったといえます。

 問題の出題内容ですが、出題内容については多少の変動が見られるものの、例年通りの傾向といえるものでした。問題の一部に新傾向の出題内容も見られ、実際に受験された方は難しく感じたかもしれません。その一方で、頻出事項も数多く出題されており、これらの問題で確実に正解し、合格基準点を超える点数を積み重ねられたかが試されました。

 精神保健福祉士として身につけるべき事項は大きく変わることはありません。過去問から試験の重要事項を学ぶことが重要であり、国家試験に合格するための学習法は決して変わることはない、といえる試験結果でした。

結果講評

【共通科目】

1.出題形式

 共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も例年通りであった。また、「2つ」選ぶ問題は6問と、昨年と同数であった。なお、単文事例については全部で12問出題され、昨年と同様であった。科目によって多少の出題数の変動がみられたが、「福祉行財政と福祉計画」から1問、今回の国家試験で初めて出題された。

2.出題内容

 問題内容については、見慣れない語句や内容からの出題が昨年よりも減少し、一昨年までの傾向に戻った印象を受ける。
 共通科目については、専門科目と比較して点数が取りにくいものの、過去問学習を通し、正解できるようになってほしい問題も数多く見られた。その一方で、問題の一部に難易度の高い問題も見られるという点においても例年と同様といえ、難易度の高い問題であるか否かを見極める力も試された。
 社会福祉士・精神保健福祉士ともに「過去問学習の重要性に変わりはない」という出題内容であった。

3.全体概況

 共通科目全体を概観すると、出題内容や難易度については例年の流れを汲んだものが大半を占めた。今までに繰り返し出題された重要事項についての理解を問うものも多く、難易度については例年並みであったものと思われる。

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【専門科目】

1.出題形式

 精神保健福祉士 専門科目の問題数は全80問、科目別の問題数、3問1セットの事例問題数も例年通りでした。
 「2つ」選ぶ問題は昨年に引き続き16問と、今までで最も多い出題数となりました。この形式は第15回以降で現れたものですが、全体の2割を占めており、見落とさないよう注意が必要となりました。

2.出題内容

 出題内容につきましては、精神保健福祉士として確実に身につけておくべき内容から幅広く出題されました。
 各科目とも、頻出事項からの出題がありました。ここで確実に点数を積み重ねられたか否かが問われました。
 しかしながら、見慣れない語句に関する出題に加え、知っている語句であっても今までとは異なった角度からの出題など、苦戦が予想される問題も見られました。詳細につきましては科目別分析をご覧ください。

3.全体概況

 精神保健福祉士としての資質を問うという点では、過去問学習の重要性に変わりはないといえるものでした。
 過去問の出題内容に加え、関連する内容についての理解も問われたことに加え、例年とは異なった新傾向の出題も見られたことからも、専門科目全体の難易度につきましては、昨年よりも難化したものと思われます。

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