精神保健福祉士国家試験情報第17回 精神保健福祉士国家試験 結果速報・分析

正答と合格基準について

専門科目が新カリキュラムとなって3回目の試験でした。試験結果の概要は以下のようになります。

受験者 7,183人
合格者 4,402人
合格率 61.3%
合格基準点 91点(163点満点中)
共通科目免除の場合 44点(80点満点中)
不適切問題 なし

受験者数については昨年、一昨年とほぼ同程度でした。合格者数については、昨年よりも250人ほど増加しました。また、全体の合格率が61.3%と、昨年や一昨年よりも高い水準ではあるが、ここ数年をみると大きく変わってはいません。
しかしながら、合格基準点がここ数年の中で最も高い点数となったことは注目すべき点です。試験センターが、今までのような難問・奇問を減らし、精神保健福祉士として確実に理解すべきことを多く出題する、といった出題方針をとったことがうかがえる試験結果となりました。
出題形式については、昨年に引き続き、正しいものを「2つ」選ぶ形式の問題が出題されました。専門科目については、昨年よりも増加していますので、来年度以降も同様の出題傾向となることが予想されます。
問題の内容については、テキストや過去問にないような新傾向のものも見られました。しかしながら、今回の合格基準点を見ても、確実に正解すべき問題が例年よりも多く出題されています。これらの問題で得点を積み重ねなければなりませんので、今まで以上に、正答率の高い問題でミスをしないことが必要になるといえます。問題そのものの難易度は下がったといえますが、試験に合格するための難易度は例年並みといえます。
国家試験の合格のためには、過去問学習をしっかりと行い、基本や頻出事項を身につけることが必要不可欠です。合格基準点が大きく上昇したとはいえ、試験勉強の方法は本質的には変わらない、といえる結果でした。

なお、試験センターが発表した正解と赤マル福祉自動採点で見解が異なった問題はありませんでした。

結果講評

【共通科目】

今回の試験においても共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も昨年と同様であった。昨年や一昨年に引き続き、「2つ」選ぶ問題が出題された。昨年は7問であったが、今回の国家試験では5問に減少した。また、単文事例も例年通り出題されているが、全部で10問であり、昨年より2問減少した。
出題内容については、問題の一部に難問・奇問は見られるが、例年と比較して見慣れない語句や内容のものは少なく、テキストや過去問で対応できる問題が多かった印象を受ける。社会福祉士や精神保健福祉士になる上で確実に理解すべき内容をしっかりと学習されてきた人にとっては取り組みやすく、高得点を取ることも可能であったものと思われる。逆に言えば差がつきやすい問題が少ないので、基本問題でミスしてしまうと命取りになってしまう危険性がある、ともいえるものであった。
共通科目全体を概観すると、「2つ」選ぶ問題や単文事例の問題数が減少したことに加え、標準的レベルの問題が多くを占めたことから、難易度は昨年よりもやや易化したものと思われる。合格するためには過去問学習を繰り返すことが必要不可欠であるという点では、例年通りの傾向といえよう。(1/25 14:05更新)

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【専門科目】

今回の試験についても、問題数は全80問、科目別の問題数、3問1セットの事例問題数は昨年や一昨年と同様でした。一昨年から出題した「2つ」選ぶ問題は、今年も出題されており、全部で14問出題されました。昨年は11問、一昨年は14問と、全体の1~2割程度を占めるので、より正確な理解を問われますので引き続き注意が必要といえます。  問題内容についてですが、全体的には例年と大きく変わりはない、といえるものでした。問題の中には、テキストや過去問だけでは対応しきれない問題のほか、細かなところまで理解できていないと正解できない問題や、目新しいものも一部に見られるのは例年の通りといえます。しかしながら、問題の多くが、精神保健福祉士として必要な知識や援助技術、関連する制度をしっかりと理解できていたかを問うものでした。また、事例問題についても、精神保健福祉士としての視点がしっかりと身についているかが問われました。  過去問を繰り返し解き、テキスト等でしっかり学習を積み重ねれば合格することは可能といえる内容であり、専門科目全体の難易度としては、例年と大きく変化していないものと思われます。(1/24 19:10更新)

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