精神保健福祉士国家試験情報第28回(令和7年度)精神保健福祉士国家試験 科目別分析【専門】

科目別分析【専門科目】

精神医学と精神医療

 今回の国家試験も、精神疾患に関する出題が中心ではあったものの、基礎的な脳機能や統計、医療・保健サービスなど関連領域からの出題も見られました。疾患名や治療法の暗記だけでなく、幅広い知識も求められました。
 問題1では海馬が取り上げられ、冒頭から戸惑った方もいたかもしれませんが、基本的な機能理解を問う内容でした。
 問題2の外因性に分類される精神障害は、この科目の中で難易度の高い問題の一つでした。2つ選ぶ問題であり、正しい理解が求められました。
 問題3は、薬物依存に関する面接時のAさんの状態を選ぶ出題でした。過去の出題実績はありませんでしたが、文脈から適切な語句を選べたかが問われました。
 問題4は一見手ごわく感じますが、「全生活史健忘」という語句から判断できたかがポイントでした。
 問題7の患者調査、これも難易度の高い問題の一つであった。知らない内容があったとしても、誤りである選択肢を1つずつ減らすことができたかが試されました。
 問題8の入院形態は頻出事項であり、確実に正解したい問題です。ここでの失点は命取りとなるおそれもあります。
 問題9の精神科訪問看護も、各選択肢を丁寧に〇×判断できたかで差がついた出題でした。
 全体としては、目新しさに戸惑う場面はあったものの、問題文中の記述を手がかりに考えれば解答できる問題も多く、難易度は標準的であったといえるでしょう。

分析: 赤マル福祉事務局

現代の精神保健の課題と支援

 この科目は例年、制度・統計・社会的課題など出題範囲が広く、学習の優先順位をつけにくい科目の一つとなっています。今回の国家試験においても新傾向といえるテーマは複数見られましたが、設問の多くは選択肢文を丁寧に読み取ることで判断可能な内容であり、例年と比較すると極端に難解な出題は抑えられた印象となりました。基礎的事項の理解を前提に、周辺知識まで押さえていたかが問われる構成でした。
 問題10は地域包括ケアシステムに関する出題で、一見すると目新しいものの、選択肢を一つずつ検討することで正答にたどり着ける内容でした。
 問題11は人名問題であり、今までに見たことのない内容からの出題となりましたが、過去問学習を通し、馴染みのある人名ではないことから選択肢を選べたかが問われました。
 問題13の性の多様性は関連知識の理解度によって差がつきやすく、やや手ごわい問題でした。
 問題15は飲酒問題に関する出題でしたが、問題文中で記載された内容から児童虐待にも関連する内容であることに気づいた上で適切な選択肢を選べたかがポイントとなりました。
 問題17では精神保健福祉行政について出題されました。旧カリ時代からよく出題されている内容であり、正解しておきたい問題の一つでした。
 問題18ではmhGAPについて出題されました。過去にも出題実績があり、過去問学習を通し、理解を深められたかが問われました。
 見慣れない語句を含む設問はあったものの、全体としては正解肢を見極めやすい構成であり、例年と比べると得点しやすい科目となったものと思われます。

分析: 赤マル福祉事務局

精神保健福祉の原理

 この科目では、精神保健福祉の原理に関する基礎的かつ本質的な理解が幅広く問われました。問題数は9問で、うち問題25~27は3問1セットの事例問題という構成でした。制度・歴史・理念・援助の視点など、知識の定着度と理解の深さの双方が試される出題が多く見られました。
 問題20では、精神保健福祉法における精神障害者の定義が問われ、基本事項として確実に得点したい内容でした。
 問題21は精神保健福祉の歴史に関する出題で、国名ではなく人名を手がかりとする点が特徴的でしたが、過去問学習を通じて対応可能な問題でした。
 問題23も人名に着目したリカバリーに関する出題で、用語理解の正確さが求められました。
 問題24は精神保健福祉士の援助に関する内容で、循環的関係に該当するものを判断できたかがポイントとなりました。
 3問1セットの事例問題はコミュニティワークをテーマとし、すべて事例文をもとに適切な語句を選択する形式でした。読解力と用語理解の両面が求められ、従来とはやや異なる新規性のある出題でした。
 科目全体としては難易度が高く、知識の曖昧さがそのまま得点差につながりやすい構成で、点数を取りにくかったものと思われます。

分析: 赤マル福祉事務局

ソーシャルワークの理論と方法(専門)

 この科目では、精神保健福祉士として相談援助活動を行う上で基盤となるソーシャルワーク理論について出題されました。問題数は9問で構成され、問題34~36は3問1セットの事例問題となっており、理論の理解に加え、実践場面を想定した判断力が求められる内容でした。知識の暗記にとどまらず、理論をどのように現場で活用するかを意識した学習ができていたかが問われた科目といえます。
 全体として、ソーシャルワーク理論に関する基礎的理解を前提とした問題が多く見られました。問題30のジャクソンの7段階説や問題31のチームの形成期は、用語や理論の整理が不十分な場合、判断に迷いやすく、正答率は伸び悩んだものと思われます。
 一方、問題29の初回面接時の関わりや問題32のコミュニティワークは、精神保健福祉士としての基本姿勢や役割理解が問われる内容であり、確実に得点しておきたい問題でした。
 3問1セットの事例問題では、精神科デイケアを題材に、グループワークやスーパービジョンに関する理解が問われました。単に理論を知っているかではなく、事例文から状況を読み取り、理論と実践を結び付けて判断できたかがポイントとなる出題でした。
 用語の正確な理解を前提とした問題が多く、例年と比較すると難易度はやや高めであったといえます。基礎知識を確実に押さえた上で、理論の使いどころを整理できていたかが得点差につながる試験でした。

分析: 赤マル福祉事務局

精神障害とリハビリテーション論

 この科目は、精神障害者のリハビリテーションに関する理解を基盤に、前半3問で基本的知識と考え方を確認し、後半では3問1セットの事例問題を通して実践的判断力を問う構成でした。制度や用語の暗記にとどまらず、支援の視点や意図を読み取れるかが重視されています。
 問題37は資源のアセスメントに関する出題で、アセスメントの目的や視点を正しく理解していれば確実に得点できる内容でした。
 問題38のIPSは頻出事項であり、選択肢を一つずつ吟味し、不適切なものを除外できたかがポイントとなりました。
 問題39は「動機を強化するための面接」という表現に着目し、概念理解から適切に判断できたかが問われました。
 問題40~42は、発達障害に関するキャンパスソーシャルワーカーの相談援助活動がテーマでした。
 問題40・41は実践場面を想定した内容で、精神保健福祉士としての姿勢や判断力が問われ、差がつきやすい出題内容でした。
 問題42は「発達障害のことを知ろう」という記述を手がかりに、大学祭での企画内容を適切に判断できたかがポイントでした。
 全体として、相談援助の実践場面を通じて精神保健福祉士としての視点を問う出題が多く、基本理解は前提としつつも判断に迷う選択肢が含まれていました。そのため、得点はやや伸ばしにくい難易度であったといえるでしょう。

分析: 赤マル福祉事務局

精神保健福祉制度論

 この科目は全6問で構成され、前半3問が制度に関する知識問題、後半が3問1セットの事例問題という、昨年と同様の出題形式でした。精神障害者支援に関わる主要制度を幅広く、かつ基本事項を中心に問う構成であり、制度の全体像と個別制度の位置づけを理解しているかが問われました。
 問題43の精神医療審査会、問題44の宿泊型自立訓練、問題45の障害基礎年金はいずれも過去に繰り返し出題されている定番テーマでした。用語や制度の趣旨を正確に理解していれば迷う要素は少なく、確実に正解しておきたい問題であり、基礎学習の定着度がそのまま得点に反映される内容でした。
 問題46~48は、入院形態および退院に向けた支援をテーマとする事例問題でした。
 問題46では「医師による入院に変更された」という記述から入院形態を正しく判断できたかがポイントでした。
 問題47と48はサービスに関する出題で、制度の違いや対象者像を整理できていたかによって差がつきやすい内容でした。
 全体として基本的な出題が多く、比較的得点しやすい科目でした。確実に点数を積み重ねておきたい科目であり、合否を左右する失点は避けたい内容であったといえます。

分析: 赤マル福祉事務局