介護福祉士国家試験情報第30回 介護福祉士国家試験 結果速報・分析

正答と合格基準について

今回の試験結果の概要は次のようになります。

受験者 92,654人
(昨年76,323人、16,331人増加)
合格者 65,574人
(昨年55,031人、10,543人増加)
合格率 70.8%(昨年72.1%)
合格基準点 77点(得点率で61.6%)
(昨年は75点)
不適切問題 なし
第30回 介護福祉士国家試験
国家試験正解一覧 (PDF)

受験者数、合格者数、合格率は昨年とほぼ同程度、合格基準点については前回(第18回)よりも上がり、前々回(第17回)と同じ水準となり、新カリキュラムとなった第12回以降で最も高くなりました。得点しやすい問題が多いといった傾向が続いていますが、難問・奇問を減らし、確実に理解すべきことを中心に出題する、といった方針が今後も続くことが予想される試験結果となりました。
問題の出題内容は、精神保健福祉士として身につけておくべき事項が多くを占めていました。科目の一部に難易度の高い問題が多く出題されたものもありましたが、合格基準点が高かったことを考えましても、重要事項で確実に得点できたかが試された、ともいえます。出題される内容や難易度については多少の変動はあるものの、国家試験の合格のためには、過去問学習をしっかりと行い、基本や頻出事項を身につけることが必要不可欠、といえる試験結果でした。

なお、国家試験終了直後に、赤マル福祉が発表した解答速報と、試験センターから正式に発表された正解の間には、一問の差異も生じませんでした。

結果講評

【午前科目】

共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も例年通りであった。また、「2つ」選ぶ問題は3問(問題35、問題59、問題69)出題された。第25回以降、4~7問で推移していたが、今までで一番少ない出題数となった。なお、単文事例については全部で9問出題された。科目別でみると多少の出題数に変化はみられたものの、共通科目全体では昨年と変化はなかった。
共通科目については、社会福祉士、精神保健福祉士いずれの受験者ともに、難しく感じる方が多い傾向にある。問題の一部に難易度の高い問題が含まれており、そのイメージが強くなっていることも一因といえよう。しかしながら、共通科目全体を概観しても、ここ最近、見慣れない語句や内容からの出題が少ない傾向にある。過去に出題された問題がそっくりそのまま出題されることはないが、問題を通してキーワードや関連する内容について理解できたかを問うものが多くを占めた。
全体的には標準的レベルの問題が多く、ここ最近の傾向を継承していることからも、難易度は昨年並みであったと思われる。

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【午後科目】

精神保健福祉士 専門科目の問題数は全80問、科目別の問題数、3問1セットの事例問題数も例年通りでした。また、「2つ」選ぶ問題につきましては、昨年と同様9問出題されました。問題全体に占める割合は決して多いとはいえませんが、「2つ」選ぶ問題を見落として失点しないよう注意が必要です。
出題内容につきましては、精神保健福祉士として身につけておくべき知識や技術を問うという本質的な点では、大きな変化はみられなかったといえます。しかしながら、過去問やテキスト等で学習した内容であっても、違った角度から出題される問題も増えており、難しく感じた方も多かったように思います。精神保健福祉士としての資質を試すという印象がより色濃くなった問題構成であったといえそうです。
合格のためには過去問学習が必要不可欠であることに変わりはありません。今までに積み重ねてきた学習成果を発揮できれば、合格基準点を超えることは十分に可能といえる出題内容でした。しかしながらテキストや参考書等で理解を深めたかが試される問題も多く、昨年よりやや難化したものと思われます。

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