新カリキュラムとなって、6回目の国家試験となりました。今回の試験結果の概要は次のようになります。
合格基準点…88点(150点満点中)
受験者…45,187人、合格者…12,181人、合格率…27.0%
不適切問題…なし
第27回 社会福祉士国家試験 正解一覧(PDF)
第27回 社会福祉士国家試験 合格基準点・合格者数など(PDF)
受験者、合格者、合格率については、昨年とほぼ同じ程度の水準となりました。
しかしながら、合格基準点は88点と、新カリキュラムとなって過去最高点であったことは注目すべき事項といえます。合格基準点を見て驚かれた方も多かったのではないのでしょうか。今後の試験センターの方針としては、合格者数を例年並みに維持しつつも、合格基準点を6割の90点あたりに近づけていくようにも思えます。
問題の内容をみると、社会福祉士として確実におさえておきたい内容を中心に出題されました。受験された方からも、共通科目が例年になく点数が取りやすかったといった感想が聞かれたことからも、基本的事項の理解を問う傾向が強くなったことがうかがえます。
今までよりも得点しやすくなったとはいえ、合格率が30%弱であることに変わりはありません。つまり、社会福祉士の国家試験に合格するための難易度は変わらない、ともいえます。
今回の合格基準点を見ても、例年以上に確実に正解すべき問題で点数を積み重ねることが求められます。難易度の高い問題で得点することよりも、基本問題でミスをしないことが今まで以上に必要となります。このためにも過去問学習やテキスト・参考書を確認する、といった学習が欠かせません。合格するための学習方法については例年通りであり、今後も変わることがないといえるものです。
【共通科目】
83問すべて試験センター公表の正解と一致していました。
【専門科目】
・問題87
クロス表とその分析に関する問題でした。解答速報では、選択肢1を正解としていました。選択肢1のクロス集計表ですが、クロスの意味を理解していたかが問われました。クロス集計とは2つの項目に着目して同時に集計することをいいますが、「表頭項目と表側項目の頻度などが入る」という記述の判断が難しいといえます。また、選択肢3ではオッズ比について問われました。疑義が残るところではありますが、「確率比」という言葉からもオッズ比の方がより適切ということになるのでしょうか。判断の難しい問題といえます。
・問題114
事例文を元にスーパービジョンの機能について問われました。
スーパービジョンの機能は3つありますので、選択肢2、選択肢4、選択肢5の3つから2つを選べばよい、ということになります。選択肢5の管理的機能については容易に判断できるのですが、残りの選択肢2と選択肢4については、どちらをより優先すべきか、与えられた問題文だけでは判断が難しく、出題者の意図をきちんとくみ取る必要がありました。
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