専門科目が新カリキュラムとなって2回目の試験でした。試験結果の概要は以下のようになります。
合格基準点…81点(163点満点中)
なお、共通科目免除の場合…38点(80点満点中)
受験者…7,119人、合格者…4,149人、合格率…58.3%
不適切問題…なし
第16回 精神保健福祉士国家試験 正解一覧(PDF)
第16回 精神保健福祉士国家試験 合格基準点・合格者数など(PDF)
昨年と比較して、受験者数、合格者数に大きな変化はありませんでした。しかしながら、合格基準点が上昇しました。全体の合格率は昨年と同程度であることからも、例年と比較して問題の難易度が下がったことがうかがえる結果となりました。
出題形式については、昨年に引き続き、正しいものを「2つ」選ぶ形式の問題が出題されました。過去問学習を通し、「2つ」選ぶ形式への対策を行っていた方も多かったとはいえ、「2つ」とも正しく選択しなければなりませんので、手こずった方も多かったのではないでしょうか。次回以降の国家試験でも、引き続き対策が必要な事項の一つといえます。
問題の内容については、過去に出題されたことのない新傾向の内容も見られました。自動採点の結果をみても、専門科目については、「精神保健の課題と支援」で過去問やテキストだけでは対応できない問題も多く、正解を選ぶのに苦労された方が多かったことがうかがえました。また、共通科目の「福祉行財政と福祉計画」は、難易度が非常に高く、0点科目とならないよう注意が必要でした。
その一方で基本的な問題も多く出題されていました。これらの問題で確実に正解し、得点を積み重ねていくことが重要です。受験した年によって合格基準点の変動がみられるものの、確実に正解すべき問題でミスを繰り返さないようにすることが非常に重要となります。このためにも、精神保健福祉士に求められる知識を確実にしておくことが必要不可欠です。過去問学習を通し、教科書や法令を確認する学習を繰り返し行うことが大切といえるでしょう。
国家試験に合格する為の学習方法の根幹が揺るぐことはない、といえる試験結果でした。
(正解と赤マル福祉自動採点で見解が異なったものについて)
【共通科目】
・問題32
速報では、正解を1としていました。ロスの地域組織化説なのかニューステッターのインターグループワーク説なのか、選択肢文の記述からは非常に迷いました。また、選択肢3の「継ぎ目のないサービス」という記述が正しいか否かを判断することが難しく、判断を誤ってしまいました。
正確に知識を理解できているかが問われました。
・問題40
地域福祉におけるニーズ把握について、「より適切なもの」を「2つ」選ぶ問題でした。選択肢文を読んでも○×の判断が難しいものが含まれていました。
選択肢1が適切なことは明らかなのですが、選択肢2と選択肢4の判断は難しかったといえます。
選択肢2ですが、「一部の回答者のニーズが強調され」すぎないように注意することは適切といえます。その一方、「聞き取り調査は避けて」という内容は適切とはいえません。
一方、選択肢4ですが、「在宅で暮らす高齢者の潜在的なニーズを把握」するには、ふれあい・いきいきサロン活動に参加「していない」方々の状況も把握する必要があると思われます。
どちらが「より適切」であるかを判断するのは難しいのですが、この問題の意図としては、「聞き取り調査は避けて」という記述が不適切であることを見極められたかが問われたものと思われます。選択肢文を吟味するとともに、出題者の意図をくみ取る力も求められました。
【専門科目】
80問すべて試験センター公表の正解と一致していました。
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