国家試験「合格への道」(2) 国家試験の合格力とは?
皆様が思い描いている社会福祉士や精神保健福祉士、介護福祉士の国家試験に合格するために必要な力、それは何でしょうか?
結論から言いますと、合格力=知識×直感力+運です。
皆様の中には、知識さえあれば合格は間違いない、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではないのです。
社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士の国家試験は、問題数が多いことに加え、試験時間も長く、問題を手早く解くことが求められます。
これを示すのが以下のデータ、問題数、試験時間は
共通科目 83問、2時間15分
社会専門 67問、1時間45分
精神専門 80問、2時間20分
介護午前 68問、1時間50分
介護午後 57問、1時間50分
これより、1問にかけられる時間を計算してみますと、
共通科目 1.63分(1分38秒)
社会専門 1.57分(1分34秒)
精神専門 1.75分(1分45秒)
介護午前 1.61分(1分37秒)
介護午後 1.93分(1分56秒)
となります。
実際の試験では、マークシートを黒く塗りつぶす時間や、見直しの時間も必要になりますので、1問を1分程度で解いていかなければ、制限時間内に問題を解き終えることはできません。
また、試験時間が2時間程度と長いことを考えますと、試験開始から試験終了まで高いレベルの集中力を持続させることは難しく、判断力も鈍ってくるといった状況の中で試験問題と格闘しなければなりません。
このため、知識だけでは太刀打ちできず、感覚的に判断できるようにすること(すなわち直感力)も求められます。
ここでいう「直感力」とは、
- 選択肢ごとの○×を手早く判断できる力
- 正解の選択肢を嗅ぎ分ける力
- 判断に迷ったときに正しいものを選ぶ力
をいいます。
この直感力は、過去問学習を繰り返すことでしか養うことができません。繰り返し過去問学習を進めることで、知らず知らずのうちに、答えは「これっぽい」という正解を見分ける勘所が養われてきます。
また、実際に問題を解いていて、選択肢を2つに絞れたけど判断に迷うものなど、判断に迷ったときに正解の選択肢を当てる「運」というのも、試験勉強を繰り返し、直感力をつけることにより養われます。運も味方につけ、合格を後押ししたいものです。
確かに、社会福祉士や精神保健福祉士、介護福祉士の有資格者として確実におさえておくべきことを知らなければ合格は不可能、と反論される方もいらっしゃるでしょう。
おっしゃる通りです。
ですが、合格できなかった方の中には、知識がとても豊富な方もいらっしゃるのが事実です。
なぜでしょう。
最初に申し上げたように、「合格力=知識×直感力+運」だからなのです。
直感力が0ですと、(知識だけを身につけたとしても)「知識×直感力」の部分は0になってしまいます。
知識が豊富な方というのは、テキストや参考書で記載されたことに限らず、関連することについても詳しく知っています。
確かに、知っている問題には非常に強いですが、判断に迷う問題であったり、知らない問題には全く適応できないという、脆さがあります。この脆さというのは、直感力が十分に磨かれていないことも要因の一つといえます。
もちろん、(知識を身につけることなく)直感力を磨き上げるだけでは合格することはできません。
最初に申し上げたように、「合格力=知識×直感力+運」つまり、
知識と直感力の両方が必要なのです。
試験勉強を通して身につけた知識と、過去問学習を繰り返すことにより養われた直感力が合わさることで、国家試験に合格するための力を身につけることができます。
実際の場面では、緊急性を要する場合など、即断即決が求められるケースもあります。
決断を下すにあたり、知識だけでなく、経験であったり勘も必要であり、これが社会福祉士や精神保健福祉士、介護福祉士に求められている力といえます。
試験問題というものは、有資格者として知っておくべきことについての理解度を図るものであるとともに、どのような人に合格してほしいのか、というメッセージも込められています。
知識だけでは太刀打ちできません。
過去問学習を繰り返しながら、有資格者として理解しておくべき内容について身につけるとともに、正解を見分ける勘所も養っていきましょう。
その力は、国家試験の合格を必ず後押しします。