各科目ワンポイントアドバイス発達と老化の理解
この科目は、人間の成長や発達のほか、病気や障害など幅広く出題されますが、老年期に関する内容が多く出題されます。
今回のテーマは「法律での年齢規程」です。
介護保険制度の被保険者や後期高齢者制度など、年齢に着目した問題もよく出題されますので、重要事項をまとめてみたいと思います。
では始めましょう。
高齢者の医療の確保に関する法律では、後期高齢者を何歳以上としているでしょうか?
それでは確認です。
75歳
後期高齢者に関する出題は、頻出事項の一つです。わからなかった方は必ず復習しておきましょう。
続いて、「法律での年齢規程」について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。
介護福祉士 第33回 問題70を解いてみましょう。
- 医療や福祉の法律での年齢に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
-
- 35歳の人は、老人福祉施設に入所できる。
- 50歳の人は、介護保険の第一号被保険者である。
- 60歳の人は、医療保険の前期高齢者である。
- 70歳の人は、介護保険の第二号被保険者である。
- 75歳の人は、後期高齢者医療の被保険者である。
皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。
- 選択肢1:
- 老人福祉施設のうち、養護老人ホーム、特別養護老人ホームへの入所は原則として 65歳以上、軽費老人ホームは原則として60歳以上の者となっています。なお、老人福祉施設とは、老人福祉法第5条の3より、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター及び老人介護支援センターをいいます。
- 選択肢2:
- 介護保険の第一号被保険者は、65歳以上の者です。
- 選択肢3:
- 前期高齢者は、65歳以上75歳未満の者をいいます。
- 選択肢4:
- 介護保険の第二号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。第一号と第二号の年齢、第二号は医療保険加入者である点はねらわれやすいので、要注意です。
- 選択肢5:
- これが正解です。後期高齢者医療の被保険者は75歳以上の者のほか、65歳以上75歳未満の者で一定以上の障害があると認定を受けた者です。
選択肢2~5は重要です。確実におさえておきましょう。
また、この問題では出ていませんが、確実におさえておきたい内容がいくつかありますので、ポイント事項をまとめてみたいと思います。
●高齢者虐待防止法
高齢者・・・・・65歳以上
●高年齢者等の雇用の安定等に関する法律
高年齢者・・・・55歳以上
中高年齢者・・・45歳以上
また、この法律では、60歳未満の定年禁止や、65歳までの雇用確保措置も定められています。
●道路交通法
運転免許証を更新する際、
70歳以上の者は更新手続き前に「高齢者講習」を、
75歳以上の者は判断力・記憶力を検査する「認知機能検査」と「高齢者講習」を
受講することを義務づけています。
高齢者に関する法律での年齢規程は、類似した内容が繰り返し出題されています。
過去問学習を通して重要事項を理解し、国家試験で出題されたときには、必ず正解できるようにしておきましょう。