各科目ワンポイントアドバイス精神保健福祉制度論

この科目は、精神保健福祉士として相談援助活動を行うにあたり、理解しておくべき制度やサービスを中心に出題されます。

今回のテーマは「精神医療審査会」です。
精神保健福祉士を受験される方は絶対に理解しておくべき内容の一つです。
このワンポイントアドバイスを通し、理解を深めていきましょう。

では始めましょう。
精神医療審査会で、審査案件を取り扱う合議体の委員の人数は、何人でしょうか?

それでは確認です。

5人

「精神保健福祉法」(正式名称:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)第14条によりますと、
合議体は、5人の委員で構成されます。
続いて、「精神医療審査会」について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。

精神保健福祉士 第22回 問題61を解いてみましょう。

精神医療審査会に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  1. 退院請求は、口頭では認められず、書面による請求が不可欠である。
  2. 1合議体の委員数は、自治体が決定する。
  3. 医療保護入院者の入院届の審査を行う。
  4. 処遇改善請求の審査は、対象外である。
  5. 精神科病院の所在する市町村に設置される。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。

選択肢1:
退院請求は、書面を原則としています。ただし、精神科病院に入院している患者が請求する場合は、口頭(電話)による請求を行うことができます。
選択肢2:
1合議体の委員数は、75人です。自治体が決定するのではありません。
選択肢3:
これが正解です。精神医療審査会では、医療保護入院者の入院届の審査を行います。
選択肢4:
処遇改善請求の審査も、精神医療審査会の業務内容の一つです。
選択肢5:
精神医療審査会は都道府県および指定都市に設置されます。

一旦問題を解いてみて、わからなかった箇所もあるかと思います。そのような箇所は、解説を読んで理解を深めていくことが大切です。問題から重要事項を学んでいきましょう。

「精神医療審査会」のポイントを整理すると、次のようになります。

  • 精神医療審査会の委員
    合議体は5名で構成
    合議体を構成する委員は、
    精神障害者の医療に関し学識経験を有する者(精神保健指定医 2名以上
    精神障害者の保健又は福祉に関し学識経験を有する者 1名以上
    法律に関し学識経験を有する者 1名以上
  • 精神医療審査会の業務

    精神科病院の管理者からの
    医療保護入院者の入院届
    措置入院医療保護入院者定期病状報告 の審査精神保健指定医1名の診断の結果、精神障害者であり、医療及び保護のために入院の必要があるが、任意入院が行われる状態でない場合、その家族等の同意に基づき行われる入院形態。なお、特定医師の診察により12時間に限って入院させることができます。

    入院中の者、家族等からの
    退院請求
    処遇改善請求 の審査

基本事項を確実におさえることで、選択肢の○×を判断できるようになります。
国家試験への合格に向け、一つずつ確実に理解を深めていきましょう。