各科目ワンポイントアドバイス精神保健福祉の原理

この科目は、精神保健福祉士を目指す上で根幹となる科目といえます。
理念に関する用語、歴史的変遷、精神障害の障害特性、精神保健福祉士の業務内容や職業内容など、幅広く理解することが求められます。

今回のテーマは「諸外国の精神保健福祉」です。
諸外国の精神保健福祉は出題頻度が比較的高く、国名と重要キーワードの組み合わせを理解することにより、正解の選択肢を見つけやすくなります。

では始めましょう。
精神科病院の新設を禁止する法律第180号(バザーリア法)が制定されたのは、どの国でしょうか?

それでは確認です。

イタリア

続いて、「諸外国の精神保健福祉」について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。

精神保健福祉士 第25回 問題36を解いてみましょう。

次の記述のうち、第二次世界大戦後のアメリカの精神保健福祉に関する説明として、正しいものを1つ選びなさい。
  1. クラブハウスモデルとしてファウンテンハウスが設立された。
  2. 精神科病院中心の医療からセクター制度への転換が進められた。
  3. 法律第180号を制定して公立精神科病院の閉鎖を国の政策とした。
  4. 精神科サバイバー・ネットワークがオヘイガン(O’Hagan,M.)らによって立ち上げられた。
  5. 「精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク」が公表された。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
この問題では、アメリカの精神保健福祉について出題されましたが、選択肢文から、どの国の説明なのかがわかれば、選択肢を絞ることができます。
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。

選択肢1:
これが正解です。ファウンテンハウスは、1948年にアメリカのニューヨークで始められた活動で、クラブハウスモデルの原点となっています。
選択肢2:
精神科病院中心の医療からセクター制度への転換が進められたのは、フランスです。
選択肢3:
法律第180号(バザーリア法)が制定されたのは、イタリアです。
選択肢4:
1990年代にオヘイガンらによって、精神科サバイバー・ネットワークが立ち上げられたのは、ニュージーランドです。
選択肢5:
精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク」が公表されたのは、イギリスです。

国家試験で狙われやすい、国名と重要キーワードの組み合わせは次のようになります。

  • アメリカ…
    ケネディ教書
  • イタリア…
    法律第180号(バザーリア法)
  • フランス…
    セクター制度
  • カナダ…
    ベンチャー
    闇からの脱出
  • イギリス…
    ケアラーズ法
    神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク
  • ニュージーランド…
    ブループリントリカバリーの概念を重視)

これらの組み合わせは特に重要で、確実におさえておきたい内容です。
過去問学習を通し、よく出てくる選択肢文については、正しく○×を判断できるようにしましょう。