各科目ワンポイントアドバイス保健医療と福祉
この科目は、保健医療に関連する制度や医療ソーシャルワーカーなどについて出題されます。
学習しにくい科目のひとつと感じていらっしゃる方もいるのではないのでしょうか?
今回のテーマは「後期高齢者医療制度」です。
医療保険制度は共通科目「社会保障」でも出題されますが、国家試験に合格する上で確実に理解しておきたい内容の1つです。
では始めましょう。
後期高齢者医療制度では、医療費の自己負担割合は原則として何割負担でしょうか?
それでは確認です。
1割
後期高齢者医療制度では、医療費の自己負担割合は、原則として1割です。
ただし、
現役並み所得者は3割
現役並み所得者以外の一定所得以上の者は2割
となっています。
続いて、後期高齢者医療制度について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。
社会福祉士 第35回 問題74を解いてみましょう。
- 後期高齢者医療制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
-
- 保険者は都道府県である。
- 被保険者は、60歳以上の者が対象である。
- 保険料の算定は、世帯単位でされる。
- 各被保険者の保険料は同一である。
- 各医療保険者から拠出される後期高齢者支援金が財源の一部となっている。
皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。
- 選択肢1:
- 後期高齢者医療保険制度の保険者は、後期高齢者医療広域連合です。都道府県ではありません。後期高齢者医療広域連合とは、都道府県ごとにすべての市町村が加入する広域連合をいいます。
- 選択肢2:
- 後期高齢者医療保険制度の被保険者は、75歳以上の者と、一定の障害があると認定された65歳以上の者です。
- 選択肢3:
- 後期高齢者医療保険制度の保険料は、個人単位で算定されます。世帯単位ではありません。
- 選択肢4:
- 後期高齢者医療保険制度の保険料は、被保険者全員が公平に負担する均等割額と、所得に応じて負担する所得割額とを合計した額となります。このため、各被保険者の保険料は同一ではなく、所得によって異なります。
- 選択肢5:
- これが正解です。後期高齢者医療制度の財源は、保険料が約1割、後期高齢者支援金が約4割、公費が約5割、となっています。また、公費の内訳は、国:都道府県:市町村=4:1:1というのも重要ですので、覚えておきましょう。
基本をしっかりとおさえることで、国家試験で合格するために必要な理解がどんどん広がっていきます。○×を判断するためのポイントに着目することが何より大切です。
理解できなかった選択肢についても、問題を解く→解説を読む を繰り返し、少しずつ理解を深めていきましょう。