各科目ワンポイントアドバイスソーシャルワークの基盤と専門職
この科目では、相談援助を行う上で必要となる知識や専門職の役割などが出題されます。
この科目では、「社会福祉士及び介護福祉士法」や「ソーシャルワークのグローバル定義」、事例問題などの出題頻度が高く、例年、似たような内容の選択肢文も見られ、確実に点数を上乗せしたい問題も多く出題されます。
今回のテーマは「ソーシャルワークのグローバル定義」です。
ほぼ毎年出題されており、今後も出題される可能性が高いと予想される出題内容の一つです。
では始めましょう。
「ソーシャルワークのグローバル定義」
「定義」によると、「ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々の( )と解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。」としていますが、( )の中には何が入るでしょうか?
それでは確認です。
エンパワメント
わからなかった方は、必ず「ソーシャルワークのグローバル定義」を確認しておきましょう。
続いて、「ソーシャルワークのグローバル定義」について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。
社会福祉士 第35回 問題92を解いてみましょう。
- 次のうち、「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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- 本定義は、各国および世界の各地域を問わず、同一であることが奨励されている。
- ソーシャルワーク専門職は、社会変革を任務とするとともに社会的安定の維持にも等しく関与する。
- ソーシャルワークの原則において、マイノリティへの「多様性の尊重」と「危害を加えない」ことは、対立せずに実現可能である。
- ソーシャルワークの研究と理論の独自性は、サービス利用者との対話的過程とは異なるところで作り上げられてきた。
- ソーシャルワークの焦点は多様であるが、実践における優先順位は固定的である。
(注)「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」とは、2014年7月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。
皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。
- 選択肢1:
- 「ソーシャルワークのグローバル定義」によると、「この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい」とあります。定義を同一にすることを推奨してはいません。
- 選択肢2:
- 「ソーシャルワークのグローバル定義」によると、中核となる任務には、社会変革・社会開発・社会的結束の促進、および人々のエンパワメントと解放があります。また、「ソーシャルワーク専門職は、それがいかなる特定の集団の周縁化・排除・抑圧にも利用されない限りにおいて、社会的安定の維持にも等しく関与する 。」とあり、適切な記述です。
- 選択肢3:
- 「ソーシャルワークのグローバル定義」によると、「危害を加えないこと」と「多様性の尊重」は、状況によっては、対立し、競合する価値観となることがあります。
- 選択肢4:
- 「ソーシャルワークのグローバル定義」によると、「多くのソーシャルワーク研究と理論は、サービス利用者との双方向性のある対話的過程を通して共同で作り上げられてきた」とあります。
- 選択肢5:
- 「ソーシャルワークのグローバル定義」によると、「ソーシャルワークの実践が実際上何を優先するかは、国や時代により、歴史的・文化的・政治的・社会経済的条件により、多様である。」とあります。固定的ではなく、流動的といえます。
これより、適切なものは1と4です。
正解できた方、できなかった方ともに、以下に記載された「ソーシャルワークのグローバル定義」の内容を必ず確認しておきましょう。
http://www.jasw.jp/news/pdf/2017/20171113_global-defi.pdf
また、「ソーシャルワークのグローバル定義」だけでなく「倫理綱領」も、社会福祉士や精神保健福祉士の根幹をなすもので、事例問題などでも、○×を判断するための根拠ともなります。
試験の前日には、必ず「倫理綱領」にも目を通しておきましょう。
・日本社会福祉士会の倫理綱領
https://www.jacsw.or.jp/citizens/rinrikoryo/
・日本精神保健福祉士協会の倫理綱領
https://www.jamhsw.or.jp/syokai/rinri/japsw.htm