各科目ワンポイントアドバイス精神障害者の生活支援システム

この科目は精神障害者の地域生活の支援に関する出題が中心となりますが、出題傾向がつかみにくく、学習に苦労されていらっしゃる方も多いのではないのでしょうか?

今回のテーマは「自立生活援助」です。
自立生活援助は「障害者総合支援法」(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)第5条第16項で定義されています。
2018(平成30)年4月から新設されたサービスで、訓練等給付に位置づけられています。

では始めましょう。
自立生活援助の標準利用期間はどれくらいでしょうか?

それでは確認です。

1年間

自立生活援助のサービス利用期間は原則1年間です。
ただし、利用期間終了後に、市町村審査会の個別審査を経てその必要性を判断した上で適当と認められる場合には更新が可能です。

続いて、自立生活援助について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。

精神保健福祉士 第22回 問題74を解いてみましょう。

次のうち、「障害者総合支援法」に規定される自立生活援助のサービス内容として、正しいものを1つ選びなさい。
  1. 通帳・証書の預かりサービス
  2. 入浴、排せつ、食事の直接介助
  3. 公共料金や家賃の支払い状況の確認
  4. 家事能力を向上させるための宿泊訓練
  5. 救護施設退所者のためのアパート探しの同行

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。

選択肢1:
通帳・証書の預かりサービスは、日常生活自立支援事業で行われるサービス内容です。
選択肢2:
入浴、排せつ、食事の直接介助は、居宅介護(ホームヘルプサービス)で行われるサービス内容です。
選択肢3:
これが正解です。公共料金や家賃の支払い状況の確認は、自立生活援助で行われるサービス内容に含まれます。
選択肢4:
家事能力を向上させるための宿泊訓練は、宿泊型自立訓練で行われるサービス内容です。
選択肢5:
救護施設退所者のためのアパート探しの同行は、地域移行支援で行われるサービス内容です。

この問題で問われている「自立生活援助」の出題頻度は決して高いとはいえませんが、正解の選択肢以外のサービス内容が何なのかがが判断できるようになると、得点力は確実にアップします。

自立生活援助のポイントをまとめると、次のようになります。

自立生活援助は、施設入所支援やグループホーム等から一人暮らしへの移行を希望する知的障害者や精神障害者などに対し、一定の期間にわたり定期的な巡回訪問や障害者からの相談に応じ必要な支援を行います。

自立生活援助の支援内容は、定期的に利用者の居宅を訪問し、

  1. 食事、洗濯、掃除などに課題はないか、
  2. 公共料金や家賃に滞納はないか、
  3. 体調に変化はないか、通院しているか、
  4. 地域住民との関係は良好か

などについて確認を行い、必要な助言や医療機関等との連絡調整を行っています。