各科目ワンポイントアドバイス就労支援サービス

この科目は社会福祉士の専門科目のひとつですが、精神保健福祉士の国家試験を受験される方も、専門科目で就労支援に関する内容がよく出題されます。しっかりと学習し、他の受験者と差をつけておきたいところです。

今回のテーマは「障害者雇用率制度」です。
障害者雇用率制度の出題頻度は高く、おさえておきたい内容の一つです。

では始めましょう。
常時雇用している労働者数が100人を超える事業主で障害者雇用率を未達成の場合、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて費用が徴収される制度を何というでしょうか?

それでは確認です。

障害者雇用納付金制度

障害者雇用納付金制度は、雇用率未達成企業(常用労働者100人超)から障害者雇用納付金を徴収し、雇用率達成企業に対して障害者雇用調整金報奨金を支給するもので、障害者の雇用に伴う事業主の経済的負担の調整を図るとともに、全体としての障害者の雇用水準を引き上げることを目的としています。

また、障害者雇用納付金制度は納付金を支払うことで障害者雇用義務が免除されることを意味するのではない、という点もおさえておきましょう。

続いて、「障害者雇用率制度」について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。

社会福祉士 第32回 問題144を解いてみましょう。

障害者雇用率制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 民間企業の法定雇用率は、2018年度(平成30年度)から3.0%になっている。
  2. 障害者雇用納付金制度は、対象障害者の雇用に伴う経済的負担の調整並びにその雇用の促進及び継続を図ることを目的としている。
  3. 週所定労働時間が20時間以上30時間未満の障害者は、雇用率算定の対象にはならない。
  4. 法定雇用率未達成の企業は、企業規模にかかわらず障害者雇用納付金が徴収される。
  5. 厚生労働大臣は、法定雇用率が未達成の場合、原則として企業名を公表しなければならない。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。

選択肢1:
民間企業の法定雇用率は、2021(令和3)年3月1日より、2.2%→2.3%に引き上げられました。3.0%ではありません。なお、2021(令和3)年3月1日より、法定雇用率は、国及び地方公共団体、特殊法人2.6%、教育委員会が2.5%となっています。
選択肢2:
これが正解です。
選択肢3:
1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満短時間労働者も雇用率算定の対象となります。
選択肢4:
障害者雇用納付金制度の対象となるのは、常時雇用している労働者数が100人を超える企業です。100人以下の中小企業からは徴収されません。
選択肢5:
法定雇用率が未達成の場合、厚生労働大臣が障害者の雇入れに関する計画の作成を命じ(「障害者の雇用の促進等に関する法律」第46条第1項)、計画の適正な実施を勧告し(同法第46条第6項)、勧告に従わない場合は、企業名を公表することができます(同第47条)。

法定雇用率はよく出題される内容の1つです。
ここで取り上げた法定雇用率(民間企業は2.3%など)や障害者雇用納付金制度のほか、実雇用率の算定方法、特例子会社など、重要事項については繰り返し出題されます。
過去問学習を通し、よく出てくる選択肢文については、正しく○×を判断できるようにしましょう。