各科目ワンポイントアドバイス相談援助の基盤と専門職

この科目では、相談援助を行う上で必要となる知識や専門職の役割などが出題されます。

この科目では、「社会福祉士及び介護福祉士法」や「ソーシャルワークのグローバル定義」、事例問題などの出題頻度が高く、例年、似たような内容の選択肢文も見られ、確実に点数を上乗せしたい問題も多く出題されます。

今回のテーマは「ソーシャルワークのグローバル定義」です。
ほぼ毎年出題されており、今後も出題される可能性が高いと予想される出題内容の一つです。

では始めましょう。
「ソーシャルワークのグローバル定義」
「定義」によると、「ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々の(    )と解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。」としていますが、(    )の中には何が入るでしょうか?

それでは確認です。

エンパワメント

わからなかった方は、必ず「ソーシャルワークのグローバル定義」を確認しておきましょう。
続いて、「ソーシャルワークのグローバル定義」について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。

社会福祉士 第31回 問題92を解いてみましょう。

「ソーシャルワークのグローバル定義」(2014年)に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
  1. 定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい。
  2. 中核となる原理の一つに画一性の尊重がある。
  3. セラピーやカウンセリングを含めず実践する。
  4. 複数の学問分野をまたぎ、その境界を超えていく。
  5. 経済成長が社会開発の前提条件になるとされている。

(注)「ソーシャルワークのグローバル定義」とは、2014年7月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。

選択肢1:
「ソーシャルワークのグローバル定義」によると、「この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい。」としており、適切な記述です。
選択肢2:
中核となる原理の一つに、多様性の尊重があり、画一性の尊重ではありません。
選択肢3:
ソーシャルワークの実践には、セラピーやカウンセリングも含まれます。
選択肢4:
「ソーシャルワークのグローバル定義」によると、「ソーシャルワークは、複数の学問分野をまたぎ、その境界を超えていくもの」とあり、適切な記述です。
選択肢5:
「ソーシャルワークのグローバル定義」によると、「経済成長こそが社会開発の前提条件であるという従来の考え方には賛同しない。」とあり、適切ではありません。

これより、適切なものは1と4です。

正解できた方、できなかった方ともに、以下に記載された「ソーシャルワークのグローバル定義」の内容を必ず確認しておきましょう。
http://www.jasw.jp/news/pdf/2017/20171113_global-defi.pdf

また、「倫理綱領」や「国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)のソーシャルワークの定義」は、社会福祉士や精神保健福祉士の根幹をなすもので、事例問題などでも、○×を判断するための根拠ともなります。
試験の前日には、必ず「倫理綱領」と「国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)のソーシャルワークの定義」に必ず目を通しておきましょう。

・日本社会福祉士会の倫理綱領
https://www.jacsw.or.jp/citizens/rinrikoryo/

・日本精神保健福祉士協会の倫理綱領
https://www.jamhsw.or.jp/syokai/rinri/japsw.htm