各科目ワンポイントアドバイス現代社会と福祉

多くの方が苦手意識をもち、試験勉強が進まない科目となっている方も多いと思います。
年度によって難易度に差はありますが、国家試験に合格する上で確実に正解すべき問題が必ず出題されているのも事実です。

今回のテーマは「社会福祉法」です。
社会福祉法はこの科目に限らず、「地域福祉の理論と方法」や「福祉行財政と福祉計画」など、多くの科目で社会福祉法の条文に関連した問題が出題されています。
国家試験に合格する上で、社会福祉法はとても重要であるといっても過言ではありません。

では始めましょう。
社会福祉法第60条によると、第一種社会福祉事業はどこが経営することが原則となっているでしょうか?

それでは確認です。

国、地方公共団体又は社会福祉法人

わからなかった方は、社会福祉法第60条の条文を確認しておきましょう。
続いて、社会福祉法について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていきます。

社会福祉士 第32回 問題22を解いてみましょう。
精神保健福祉士の方は、第22回 問題22となります。

社会福祉法の内容に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  1. 福祉サービス利用援助事業は、第一種社会福祉事業である。
  2. 市町村は、地方社会福祉審議会を設置しなければならない。
  3. 市町村は、社会福祉事業等に従事する者の確保に関する基本指針を定めなければならない。
  4. 都道府県は、都道府県地域福祉支援計画を策定しなければならない。
  5. 共同募金は、都道府県を単位として毎年1回実施される。

皆さん、正解の選択肢を選べましたでしょうか?
それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていきます。

選択肢1:
社会福祉法第2条第3項より、福祉サービス利用援助事業は、第二種社会福祉事業です。また、これに関連し、社会福祉法第113条より、共同募金第一種社会福祉事業であることも重要ですのでおさえておきましょう。
選択肢2:
社会福祉法第7条より、地方社会福祉審議会を設置しなければならないのは、都道府県指定都市中核市です。市町村ではありません。
選択肢3:
社会福祉法第89条より、基本指針を定めなければならないのは、厚生労働大臣です。市町村ではありません。
選択肢4:
社会福祉法第108条より、都道府県地域福祉支援計画の策定は努力義務策定するよう努める)となっています。義務策定しなければならない)ではありません。
選択肢5:
これが正解です。社会福祉法第112条より、共同募金は、都道府県を単位として毎年1回実施されます。

社会福祉法は最重要事項の一つです。
法令の条文を読むのを苦手とされている方も多いと思いますが、実際の国家試験では、条文をもとにした出題も多いです。条文をしっかり読むことで得点力アップにつながります。
試験勉強をしていて、解説文中に法令が出てきた場合には、条文にも目を通すようにしましょう。