社会福祉士国家試験情報第28回 社会福祉士国家試験 結果速報・分析

正答と合格基準について

今回の試験結果の概要は次のようになります。

受験者 44,764人
合格者 11,735人
合格率 26.2%
合格基準点 88点(150点満点中)
不適切問題 問題67、問題141の2問

受験者、合格者、合格率については、前回および前々回よりも若干減少しました。
合格基準点は88点であり、前回と同じでした。2回連続で合格基準点が90点近くとなっており、次回以降も同様の傾向になることが予想されます。
問題の内容については、前回、前々回と同様、基本事項の理解を問うものを中心に出題されました。また、難易度の高い問題と得点しやすい問題の見分けがつきやすかった印象を受けました。今回の試験でも、最近の法改正や見慣れない語句など、過去問やテキストだけでは対応しきれない問題も含まれていました。その一方で、社会福祉士として確実におさえておきたい内容も数多く出題され、これらの問題で点数を取れたかが試されました。
合格率は例年と同様、30%を下回りました。このため、合格するためには万全の準備を整える必要があります。問題の難易度や合格基準点に多少の変動はありますが、今までの国家試験に合格された方々が実践してきた過去問学習やテキスト・参考書を確認する、といった学習が欠かせません。ここ最近の傾向からも、基本的な問題で取りこぼさないことが大切です。合格するための学習方法については例年通りであり、今後も変わることがないといえる試験結果でした。

正解と赤マル福祉自動採点で見解が異なったものについて

【共通科目】
83問すべて試験センター公表の正解と一致していました。

【専門科目】
・問題121  動機づけに関する理論についての出題でした。解答速報では、選択肢3を正解としていました。正解の選択肢1のマクレガーのY理論は、人間は本来進んで働きたがる生き物で、自己実現のために自ら行動し、進んで問題解決をするという考え方をいいますが、意欲を高めるには適切な環境を用意し、目標と責任を与えることが必要で、問題文中の「従業員の働く意欲が低いのは、組織の管理者側に原因があるとされる。」の部分を正しく吟味できたかが問われました。

結果講評

【共通科目】

共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も例年通りであった。また、「2つ」選ぶ問題が7問(昨年5問、一昨年7問)出題された。共通科目での出題数は少ない傾向にあり、問題36まで「1つ」選ぶ形式の問題が続いているため、見落とさないよう注意が必要であるともいえる。なお、単文事例については全部で9問出題され、昨年より1問減少した。
問題内容については、毎年のことであるが、いわゆる難問・奇問が出題されている。しかしながら、その割合については多いとはいえず、昨年の出題傾向が踏襲された。裏を返せば、過去問学習を行い、テキストや参考書等で理解を深めることが必要不可欠である。合格に向けてしっかりと学習を積み重ねることにより、合格に必要な点数をとることができるといえる問題構成であった。
共通科目全体を概観すると、昨年に引き続き、標準的レベルの問題が多く取り組みやすかったものと思われる。受験される人にとっては難しく感じることが多いと思うが、難易度については昨年とほぼ同程度であったといえよう。

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【専門科目】

今回、問題141で不適切問題があり、この問題については全員正答とした取り扱いとなった。
専門科目についても、問題数は全67問で、科目別の問題数も例年通りであった。「2つ」選ぶ形式の問題については13問(昨年は14問、一昨年は11問)出題された。第25回で新たに出題された形式であったが、共通科目と比べて専門科目で多く出題されている点も例年通りであった。また、単文事例については全部で19問(問題141を含む)出題され、昨年より2問増加した。「福祉サービスの組織と経営」で1問出題されており、過去にない出題傾向であった。
出題内容については、大きな変化は見られなかった。科目によっては難易度の高いものも見られたが、総じて標準的なレベルであった。問題の一部に見慣れない語句が出題されているが、過去問で繰り返し出題された内容が多かったこともあり、難易度の高い問題であるか否かの見極めがつけやすかったものと思われる。
専門科目の問題を概観すると、専門科目全体を通しての難易度については、例年並みであったものと思われる。

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