精神保健福祉士国家試験情報第25回 精神保健福祉士国家試験 結果速報・分析

正答と合格基準について

今回の試験結果の概要は次のようになります。
受験者 7,024人
合格者 4,996人
合格率 71.1%
合格基準点 95点(163点満点中)
なお、共通科目免除の場合…
49点(80点満点中)
不適切問題 (共通科目)問題76

 受験者数は7,000人ほどであり、前回より500人ほど増加しました。合格者数については5,000人ほどと、前回より700人ほど増加しました。なお、合格率は71.1%と例年よりも高い水準となりました。
 合格基準点については前回より6点下がり、95点となりました。なお、共通科目免除の方につきましては、前回よりも2点上がり、49点となりました。
 今回の国家試験では、受験者全体の合格率が70%を超えました。例年よりも高い水準となっていますが、最後まであきらめることなく、点数を取りこぼさないようにすることが合否を分けました。
精神保健福祉士の専門科目の出題内容を見てみますと、有資格者としておさえておくべき事項が大きく変わることはありません。共通科目につきましては、年度によって出題内容に変動があり、差がつきやすいといえます。日頃からしっかりと対策を行う上でも、過去問学習が重要である、といえる試験結果となりました。

(正解と赤マル福祉自動採点で見解が異なったものについて)

【共通科目】
不適切問題となった問題76を除き、すべて試験センター公表の正解と一致していました。

【専門科目】
問題27
この問題では、権利擁護における発見機能について出題されました。試験センターが発表した正解は選択肢5であり、問題発見者、問題提起者としての機能を的確に見抜けたかが問われました。解答速報では選択肢4としていましたが、正解の選択肢を選ぶことができなかったことにつきまして、お詫び申し上げます。
問題52
この問題では、SMARPP導入のための面接を行っておりますが、解答速報では、選択肢5の相互作用モデルとしました。一方、試験センターが発表した正解は選択肢3でした。事例文中の「本当に効果があるんですか」と疑心暗鬼な様子で尋ねた、といった記述から、この選択肢を選んでほしい、といった出題者の意図を汲み取る力が求められました。

結果講評

【共通科目】

1.出題形式

 共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も例年通りでした。また、「2つ」選ぶ問題は8問と、昨年より5問増加しました。なお、単文事例については全部で11問出題され、昨年より1問減少しました。科目によって多少の出題数の変動がみられますが、「権利擁護と成年後見制度」で3問出題されたのが特徴的でした。

2.出題内容

 共通科目全体を通してみると、見慣れない語句や内容に関する出題は少なかった印象を受けます。問題23のフェビアン社会主義やコミュニタリズム、問題81の日常生活自立支援事業実施状況といった過去に出題のない語句もみられましたが、こういった新傾向の問題は多くありませんでした。
 共通科目では、地方財政白書(問題44)や生活保護の被保護者調査(問題63)、国民医療費の概況(問題71)といった統計データ問題がよく出題されますが、過去問を繰り返し解き、重要事項をおさえていたかが問われ、点数を上乗せしておきたい出題内容でした。
 共通科目は0点科目のリスクが高い傾向にありますが、各科目とも確実に正解してほしい問題が含まれており、基本事項を疎かにすることなく点数を取りこぼさないことが合格するためには必要不可欠といえます。

3.全体概況

 共通科目に苦手意識を持つ方も多いと思いますが、確実に正解してほしい問題も多く見られました。1点でも多くの点数を取るためにも、「過去問学習の重要性に変わりはない」といえる出題内容でした。
 難易度が気になる方も多いと思いますが、前回の合格基準点は、過去に前例のない高い点数となりました。点数が取りやすい=合格しやすい、とはいえず、前回の試験より点数が取りやすい傾向にあったかどうかについては、赤マル福祉のWeb自動採点にて精緻な集計結果を表示しますので、ぜひこちらをご活用ください。
(2023/02/05 16:30公開)

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【専門科目】

1.出題形式

 精神保健福祉士 専門科目の問題数は全80問、科目別の問題数、3問1セットの事例問題数も例年通りでした。
 「2つ」選ぶ問題は17問、昨年より5問増加し、過去最多の出題数となりました。この形式は第15回以降で現れたものですが、問題文をよく読み、見落とさないよう注意が必要でした。

2.出題内容

 精神保健福祉士の有資格者として、用語や制度、法律など理解しておくべき事項が幅広く問われました。これについては例年と大きく変わってはいません。
 例年の傾向ではありますが、問題8の認知行動療法の人名、問題24のグローバル定義、問題68のオプトアウトなどのような、過去に出題実績のない目新しい内容もいくつか見られました。また、知っている語句であっても今までとは異なった角度からの出題など、苦戦が予想される問題も見られました。
 その一方で、赤マル福祉の「科目別ワンポイントアドバイス」で取り上げている統合失調症(問題3)や入院形態(問題10)、災害時の精神保健(問題16)などのほか、問題37のエンパワメント、問題48のケアマネジメントといった頻出事項も数多く出題され、ここで確実に点数を取れるよう日々の努力を続けてきたかが問われました。詳細につきましては科目別分析をご覧ください。

3.全体概況

 精神保健福祉士の専門科目で出題される80問につきましては、資格創設から有資格者として理解しておくべき内容について大きく変わっておらず、過去問学習の重要性が揺るぐことはない、といえる出題内容でした。
(2023/02/05 14:00公開)

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