精神保健福祉士国家試験情報第22回 精神保健福祉士国家試験 結果速報・分析

正答と合格基準について

今回の試験結果の概要は次のようになります。

受験者 6,633人
合格者 4,119人
合格率 62.1%
合格基準点 90点(163点満点中)
なお、共通科目免除の場合…
40点(80点満点中)
不適切問題 なし

 受験者数は150人ほど減少し、3年連続の減少となりました。合格者数については130人ほど減少しましたが、合格率は62.1%と昨年とほぼ同様の水準となりました。

 合格基準点については前回(第21回)よりも3点上がり、90点となりました。なお、共通科目免除の方は前回よりも1点下がり、40点となりました。ここ数年の状況を見ますと、合格基準点に多少の変動はあるものの、例年並みの合格基準点でした。

 問題の出題内容ですが、過去に出題されたことのない新傾向の問題が一定数含まれている一方で、精神保健福祉士として確実に身につけておくべき事項についての出題が多くを占めているという点では例年通りの出題内容であったといえます。重要事項については、ほぼ毎年出題される問題もあれば、何年かに一度出題される問題もあります。内容によって出題頻度に違いが見られますが、これらの問題で確実に点数を取るためには、何度も過去問学習と復習を繰り返すことが必要不可欠です。  精神保健福祉士の国家試験が始まってから20年以上がたちますが、国家試験に合格するための学習法は決して変わることはない、といえる試験結果でした。

結果講評

【共通科目】

1.出題形式

 共通科目の問題数は全83問で、科目別の問題数も例年通りであった。また、「2つ」選ぶ問題は6問と、昨年よりも1問増加した。前回の試験では、地域福祉で「2つ」選ぶ問題が4問出題され、科目間の偏りがみられたが、今回の試験では、1つの科目で「2つ」選ぶ問題が2問以上出題されていないのが特徴であった。なお、単文事例については全部で12問出題され、昨年と同様であった。科目によって多少の出題数の変動がみられたが、人体の構造から1問出題されたのは第26回(精神の方は第16回)以来であった。

2.出題内容

 問題内容については、見慣れない語句や内容からの出題が例年と比べて増加した。
 特筆すべきは「現代社会と福祉」であり、ニッポン一億総活躍プラン、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、持続可能な開発目標(SDGs)など、過去に出題実績のない語句が立て続けに出題された。この科目の出題数は10問であるが、半数以上が新傾向の問題であったため、0点科目とならないよう特に注意が必要な科目となった。
 その一方で、残りの科目については一部に難易度の高い問題も含まれていたが、見慣れない語句や内容からの出題はあまり多くなく、基本事項をおさえておけば点数の取れる問題もかなり見られた。正解できたはずの問題でミスを頻発してしまうと合否に悪影響を及ぼすおそれもあり、引き続き過去問学習が重要であるといえる出題内容であった。

3.全体概況

 共通科目全体を概観すると、社会福祉士として身につけておくべき理解度を評価する問題も多く見られた。しかしながら、一部の科目に新傾向の問題が集中するなど、例年と比較して難易度の高い問題が増加したため、共通科目全体の難易度については昨年並み~やや難化したものと思われる。

共通科目分析はこちら

【専門科目】

1.出題形式

 精神保健福祉士 専門科目の問題数は全80問、科目別の問題数、3問1セットの事例問題数も例年通りでした。
 「2つ」選ぶ問題は16問出題され、昨年より3問増加しました。この形式は第15回以降で現れたものですが、全体の2割を占め、今までで最も多い出題数となりました。

2.出題内容

 精神保健福祉士の有資格者として、用語や制度、法律など理解しておくべき事項が幅広く問われました。
 基本事項をおさえておけば点数の取れる問題がある一方で、今までに出題されたことのないような目新しい問題も見られました。新傾向の問題は全体の1割ほどと、昨年と同程度の割合でしたが、時間をロスしないよう注意が必要であったといえそうです。
 1問ごとの出題内容については年度によって多少の差違は見られますが、本質的には例年通りの出題であったといえます。詳細につきましては科目別分析をご覧ください。

3.全体概況

 国家試験では、正解すべき問題で確実に点数を取れたかが試されます。合格するためには過去問学習が必要不可欠であることは不変であり、専門科目全体の難易度につきましては、昨年とほぼ同程度であったものと思われます。

専門科目分析はこちら