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第18回 精神保健福祉士国家試験 科目別分析【専門科目】

専門科目 分析
精神疾患とその治療  精神疾患に限らず、関連する領域についても幅広く問われました。「2つ」選ぶ問題については、昨年同様3問出題されており、きちんと理解できたかを問う内容構成となっていました。
 問題1では人名問題が出題されました。前々回(第15回)でも最初の問題が人名問題となっていましたが、「精神科病院の廃止を訴え」という語句がポイントとなりました。
 問題2は脳の障害部位と症状について出題されましたが、正しいものを「2つ」選ぶため正確な理解が必要となり難易度が高かったものと思われます。それ以外にも、問題3のICD-10、問題7の向精神薬とその作用、の2問で差がつきやすくなると予想されます。
 問題8のSST、問題9の患者調査、問題10の入院形態と、関連する領域についての出題が3問続きました。昨年に引き続き、関連領域からの出題があり、精神保健福祉士としての幅広い見識が問われました。
 この科目全体を通し、やや難易度の高い問題がいくつか含まれていましたが、オーソドックスな内容が多く、難易度は昨年と同程度であったといえます。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健の課題と支援  精神保健に関連した問題に限らず、それ以外の領域からも幅広く出題されました。「2つ」選ぶ問題については、1問も出題されませんでした。(ちなみに昨年は1問出題されました。)
 問題11では、昨年に引き続き「WHOによるメンタルヘルスアクションプラン2013-2020」から出題されました。今回はメンタルヘルスの定義について出題されましたが、メンタルヘルスアクションプランをしっかりとチェックしたかで差がつくといえます。
 問題16ではストレスチェック制度について出題されました。最近の動向を踏まえた出題内容でしたが、選択肢文を落ち着いて読めば正解することは可能といえる内容でした。
 問題18のケースコントロール研究は、過去の出題実績がなく、難易度の高い問題といえます。明らかに正解ではない選択肢もいくつか含まれ、選択肢を絞り込めたとしても、正解の選択肢を見つけるのが難しかったものと思われます。
 今回の国家試験では、見慣れない語句が少なくなり、取り組みやすくなったと思われます。この科目は、例年、難易度が高くなる傾向にありますが、今回の国家試験では、難易度は易化したものと思われます。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健福祉相談援助
の基盤
 相談援助の基盤についての理解が問われる出題内容でした。  「2つ」選ぶ問題については、問題22の精神保健福祉士の実践、問題23の社会福祉士法及び介護福祉士法の改正、と2問(昨年は0問)が出題されました。いずれも標準的な内容ですが、「2つ選ぶ」ためミスをしないよう注意が必要となりました。
 問題24の精神科ソーシャルワーカーの歴史、問題25の谷中輝夫「生活のしずらさ」と、2問続けて過去の出題実績がないものが出題されました。テキストや参考書等で学習をしていたかどうかで差がつく問題となりました。  問題29では会議について細かな知識を問うものとなっており、難易度が高い問題となりました。
 一方、3問1セットの事例問題ですが、問題30では精神保健福祉士の支援について問われましたが、それ以外は事例文を元に、語句の理解を問う内容となっていました。  この科目全体を通し、問題の中には難易度の高いものも含まれていましたが、確実に正解すべき問題も含まれており、難易度については例年並みであったものと思われます。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健福祉の理論と
相談援助の展開
 相談援助の理論や展開について、知識を問う問題のほか、実践的な理解についても出題されました。
 問題36では、精神保健医療福祉の事項と人物について出題されました。選択肢の中には見慣れない人名も含まれていましたが、頻出の人名も多く、選択肢を絞り込むことができたかが問われました。
 問題37以降は、精神障害者支援の理念や方法、リハビリテーション、援助過程など、頻出事項についての内容が続きました。これらの問題は軒並み正答率が高くなることが予想されますので、これらの問題でミスしない注意が必要といえます。
 問題43と問題46は単文事例が出題されました。いずれも与えられた事例文から正しい語句を選ぶことができたかが問われる内容でした。
 3問1セットの事例問題については、クライエントへの対応のほか、社会資源や援助技術に関連した用語の理解など幅広く出題されました。これらの事例問題についても目新しいものは少なく、例年通りの出題傾向であったといえます。
 基本的な問題を確実に正解することで高得点が取れる人が多いものと予想されますが、全体的には標準的なレベルの内容が大半で、難易度については例年並みであったと思われます。
分析: 赤マル福祉事務局
精神保健福祉に関する
制度とサービス
 今までの科目と比べると、難易度が高かったものと思われます。
 問題61の障害支援区分の認定、問題62の精神障害者保健福祉手帳2級についての2問は、細かい内容についての理解が必要であり、難易度が高い問題でした。
 問題65から問題68では更生保護に関する問題が4問続きました。昨年は1問のみの出題でしたが、一昨年は4問続いての出題でした。ここ数年の傾向をみても出題数が多い傾向にあり、更生保護制度や医療観察制度についてはしっかりと学習しておくべき事項の一つといえます。
 問題69では社会調査について出題されました。苦手意識をもつ人も多いと思われますが、倫理的配慮について問われているため、選択肢を一つずつ吟味することにより、正解できる出題内容でした。
 問題70~72の3問1セットの事例問題では、精神保健福祉制度に関する変遷を中心に出題されました。問題72では、事例文中の記述を手がかりに判断できたかがポイントとなりました。
 この科目全体を通し、踏み込んだ出題内容もかなり見られたこともあり、昨年に引き続き、難易度はやや高かったものと思われます。
分析: 赤マル福祉事務局
精神障害者の
生活支援システム
 出題傾向については例年通りであり、精神障害者の生活支援について幅広く出題されました。
 問題73の精神障害者の法的定義、問題74の就労移行支援事業はいずれも基本事項を問う出題内容でした。
 その一方、難易度がやや高かったものが、問題75と問題76でした。問題75では元気回復行動プラン(WRAP)について出題されました。過去に何度か出題されており、過去問学習を通し理解を深められたかどうかで差がついたものと思われます。問題76については、生活支援の理念やモデルを選ぶ問題でしたが、問題文を読み取り判断できたかが問われました。
 問題77の精神保健福祉センターの業務についても標準的なレベルであり、しっかりと試験対策をしてきたかが問われました。
 3問1セットの事例については、3問すべて社会資源についての出題でした。事例文の内容を理解した上で判断する必要があり、総合力が問われる出題内容でした。
 この科目全体としては、例年のような難易度の高い問題は少なく、基本的な内容からの出題が大半を占めました。難易度については、例年と比較して易化したものと思われます。
分析: 赤マル福祉事務局

 

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