精神保健福祉士国家試験情報第22回 精神保健福祉士国家試験 科目別分析【専門】

科目別分析【専門科目】

精神疾患とその治療

 今回の出題内容は、昨年に引き続き精神疾患や治療法がメインであり、関連する領域についての出題数は少なくなりました。
 「2つ」選ぶ問題は、昨年同様2問出題され、精神疾患について正しく理解できているかが試されました。
 出題内容について見てみますと、問1では交感神経について問われました。一見、戸惑うかもしれませんが、基本を理解できているかが問われました。
 問3のPTSD、問7の抗精神病薬の主な副作用など、基本的事項を問うものもありました。確実に正解したい問題であり、これらの問題で失点してしまうと命取りになってしまうので要注意です。
 問9の「転移」を利用する精神療法ですが、選択肢については知っているキーワードが多いものの、目新しい問われ方をしたこともあり、手こずったかもしれません。
 問10では関連領域として医療保護入院について出題されました。検討すべき要件について問われていますが、基本を踏まえた上で適切でない選択肢をチェックできたかが問われました。
 この科目全体を通してみると、例年とは一部異なった視点からの出題が見られましたが、見慣れない語句も少なく、難易度は例年並みであったものと思われます。

分析:  赤マル福祉事務局

精神保健の課題と支援

この科目は例年、出題範囲が幅広く、試験対策が難しい科目の一つになっています。
 今回の試験では「2つ」選ぶ問題が3問出題されました。昨年も3問出題されており、正確に理解しているかが問われました。
 この科目については多くの方が苦戦したことが予想されます。中でも問題14のギャンブル等依存症、問題18のデータ分析方法、問題20の周産期の精神保健は過去の出題実績がなく、特に難易度の高い問題であったものと思われます。また、問題11の精神保健に関するもの、問題13のWHOが作成したものなど、今までとは異なった角度から出題された問題も見られました。
 その一方で、比較的点数が取りやすいと思われるのが問題12のヘルパー・セラピー原則、問題15の犯罪被害者の精神保健などです。過去問学習を通し、正しい選択肢が見極められたかが問われ、これらの問題で点数が取れたか否かで差がつくものと思われます。
 今回の試験につきましては、昨年のような取り組みやすい問題が少なく、難易度についても一昨年までの傾向に戻りました。ある意味この科目らしさを垣間見る出題傾向といえるものであり、昨年よりも難化したといえます。

分析:  赤マル福祉事務局

精神保健福祉相談援助の基盤

 この科目では例年、相談援助の基盤についての理解が問われます。
 昨年に引き続き、頻出事項の一つである精神保健福祉士法からの出題がありませんでした。また、過去に出題実績のない内容もみられ、「精神保健の課題と支援」に引き続き、難易度の高い科目になったものと思われます。
 問題24のロールズの『正義論』は、共通科目をチェックしていたかで差がつく内容でした。  問題27では「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」について出題されました。過去に出題実績がないことに加え、正しいものを「2つ」選ぶものでしたが、選択肢文をよく読み、正しいものを見つけ出せたかが試されました。
 その一方で、問題25のソーシャルアクション、問題26のレジリエンス、問題28の人権擁護など、確実に正解してほしい内容も出題されました。
 問題30~32では、以前支援していた人からの手紙の内容が事例文であり、目新しいものでした。出題内容については3問すべて用語の理解を問うものでしたが、事例文をよく読み早合点しないよう注意が必要です。
 この科目全体を通し、新傾向の問題や踏み込んだ内容が多く、昨年に引き続き難化したといえます。

分析:  赤マル福祉事務局

精神保健福祉の理論と相談援助の展開

 この科目では、相談援助の理論や展開について出題されます。実践的な理解だけでなく、相談援助の理論について正しく知識が身についているかも問われました。
 問題36では諸外国の精神保健医療福祉について問われました。過去にも類似の出題が何度かあり、キーワードを正しく理解できていたかで差がついたものと思われます。
 問題39では、ディーガンが述べるリカバリーについて出題されました。過去に出題実績がなく、参考書等でチェックしていたかが求められました。
 その一方で、問題39のアセスメント、問題41のナラティブアプローチ、問題43のコンサルテーションなど、基本的な用語の理解を問うものもありました。過去問学習を通し、点数を積み重ねておきたいところです。
 3問1セットの事例問題につきましては、クライエントへの対応など実践的な内容だけでなく、援助技術に関連する用語の理解についてもバランスよく問われました。問題数も多いですので、事例文の意図をくみ取り、正しいものを選べたかで差がつくといえます。
 この科目全体を通し、難易度の高い問題も一部に見られましたが、標準的レベルの出題も多く、難易度は例年並みであったものと思われます。

分析:  赤マル福祉事務局

精神保健福祉に関する制度とサービス

精神保健福祉士として相談援助を行うにあたり、知っておくべき法令や制度、用語等についての理解が問われました。
 出題傾向については、昨年を踏襲するものとなりました。
 問題61の精神医療審査会、問題62の退院後生活環境相談員は頻出事項であり、確実に正解したい問題です。
 その一方で、昨年に引き続き、問題63の障害支援区分、問題68の障害手当金のように、共通科目に関連する出題内容も見られました。また、更生保護に関する問題も多く出題されます。今回の試験では問題66の更生保護施設、問題67の鑑定入院の2問であり、昨年と同様でした。これらの内容はしっかりと学習できたか否かで点差が開きますので、疎かにすることなく学習を積み重ねられたかが試されました。
 問題70~72の3問1セットの事例問題では、入院形態と入院中の諸権利に関する文書についての出題でした。基本~標準レベルの問題であり、点数を上乗せしておきたい出題内容といえるものでした。
 この科目全体を通してみると、基本的事項を理解できているかを問うものが多く、昨年に引き続き取り組みやすかったものと思われます。

分析:  赤マル福祉事務局

精神障害者の生活支援システム

  精神障害者の生活支援について幅広く出題されました。
 問題73では厚生労働省の資料について問われましたが、問題文中の「3年に1回」という記述から「患者調査」ということがわかるかがポイントとなりました。
 問題74では自立生活援助について出題されました。平成30年4月から新たに始まった障害福祉サービスであり、参考書などで学習したか否かで差がつきやすい内容でした。
 問題75では就労継続支援A型について、基本的内容を理解できていたかが問われました。
 問題76ではピアサポーターについて、適切なものを「2つ」選ぶものでした。選択肢2が明らかに適切であり、残り1つを正しく見つけられたかが問われました。
 問題77では市町村の精神保健福祉業務について出題されました。第19回 問題76で類似の出題があり、過去問学習を通し、理解を深められたかが試されました。
 問題78~80の3問1セットの事例問題は、3問すべて用語の理解を問うもので、傷病手当金や職場復帰支援について出題されました。
 この科目全体を通してみると、基本的な内容と踏み込んだ内容がバランスよく出題されており、標準的なレベルの出題内容であったものと思われます。

分析:  赤マル福祉事務局