精神保健福祉士国家試験情報第26回 精神保健福祉士国家試験 科目別分析【専門】

科目別分析【専門科目】

精神疾患とその治療

 今回の国家試験では、精神疾患や治療法に関する問題がほとんどであり、関連する領域からの出題は問題10のみとなりました。
 「2つ」選ぶ問題は3問出題され、昨年より1問増加しました。第21回以降、「2つ」選ぶ問題は2~3問出題されており、学習内容について正しく理解できているかが試されました。
 出題内容について見てみますと、問題1では躁病エピソードについて出題されました。ここ最近の過去問では躁病エピソードについての出題はありませんでしたが、選択肢文から正しく判断できたかが問われました。
 問題2では、アルコール依存症について出題されました。第20回以来の出題でしたが、治療に関する内容となっており、差がつきやすい問題の一つとなりました。
 問題3のパニック発作、問題7のADHDは基本的な出題内容であり、確実に正解したい問題の1つでした。
 問題4は、問題文中の「誰かが財布を盗んだ」という記述から「物盗られ妄想」であると判断できたかがポイントとなりました。
 問題6の精神症状を選ぶ問題は、妄想気分について正しく理解できていたかが問われ、やや難易度が高かったものと思われます。
 問題10では、入院中の行動制限について問われました。一見すべての選択肢が正しいと思ってしまう方もいらっしゃったかもしれませんが、正しいものを「2つ」的確に選べたかが問われました。
 この科目全体を通してみると、難易度は基本~標準的なレベルといえ、高得点が取れたという方も多かったものと思われます。

分析: 赤マル福祉事務局

精神保健の課題と支援

 この科目は例年、出題範囲が幅広く、試験対策が難しい科目の一つになっています。
 精神保健福祉士の専門科目の中で、難易度の高い問題が集中する科目となりますが、例年の傾向が踏襲された出題内容となりました。中でも、問題18の犯罪被害者等基本法、問題19の世界精神保健連盟(WFMH)などは手ごわかったものと思われます。
 その一方で、確実に正解してほしい問題としましては、問題15の災害時の精神保健、問題20のF精神保健福祉士が配属された機関の2問です。ここでの点数の取りこぼしは避けたいところです。
 また、問題11のICD、問題12のマルトリートメントは、過去問学習を通して理解できていたかが問われる出題内容でした。
 問題13のいじめ防止対策推進法は、過去にも出題実績がありますが、「2つ」選ぶことからも差がつきやすい問題の一つとなりました。選択肢5が明らかに正しいと判断した上で、残りの選択肢について、明らかに誤っているものを的確に選べたかが問われました。
 問題16はアルコールのスクリーニングテストについて出題されました。見慣れない選択肢が並び、戸惑った方もいらっしゃるかと思いますが、AUDITを知っていたかで差がついたものと思われます。
 この科目全体を通してみると、ある意味この科目らしい出題内容となっており、点数は比較的取りにくかったものと思われます。

分析: 赤マル福祉事務局

精神保健福祉相談援助の基盤

 この科目では例年、相談援助の基盤についての理解が問われます。
 問題21~26は基本的な内容であり、確実に点数が取りたい問題です。中でも問題21では社会福祉士及び介護福祉士法についての出題となりましたが、精神保健福祉士法と合わせ、条文を正しく理解できたかが問われました。
 問題27では権利擁護の調整機能について出題されました。前回の国家試験で出題された「権利擁護における発見機能」に関連する内容であり、過去問学習を積み重ねてきたかで差がつく問題となりました。
 問題28では、精神保健福祉士が行った活動についての用語が問われました。ブローカリングについて正しく理解できていなくても、残りの選択肢が明らかに適切でない、と判断できたかがポイントとなりました。
 3問1セットの事例問題ですが、前半の問題30~32では用語の理解について問われました。選択肢の一部に見慣れない語句もあったかもしれませんが、過去問学習を通して用語の理解を深められれば正解することは可能といえる出題内容でした。
 後半の問題33~35では、事例文を読み取る力が求められ、実践的な出題内容でした。中でも、問題33のバイオサイコソーシャルモデルは今回の国家試験で初めて出題されました。次年度以降の新カリキュラムでの出題基準に明示されておりますが、今後も出題が予想されるので対策をしておきたい語句の一つといえます。
 この科目全体を通してみると、用語の理解に関する内容、実践に関する内容がバランスよく出題されました。難易度については例年並みであったもの思われます。

分析: 赤マル福祉事務局

精神保健福祉の理論と相談援助の展開

 この科目では、相談援助の理論や展開について出題されます。実践的な理解だけでなく、相談援助の理論について正しく知識が身についているかも問われました。
 問題37では、2022年の精神保健福祉士法の改正について出題されました。近年の改正内容についてもぜひ理解しておいてほしい、という出題意図がこめられており、新たに規定された精神保健福祉士の業をチェックしていたかで差がついたものと思われます。
 問題38のレジリエンス、問題40のIMR、問題44の生活場面面接など、用語の理解を問うものもいくつか見られましたが、過去に何度か出題されたものであり、点数を上乗せしておきたい問題の一つです。
 問題46のEさんにもたらされたことを示す概念ですが、問題文を元に読み取ることが求められましたが、この科目の中で比較的難易度が高いといえる問題で、判断に迷った方もいらっしゃったかもしれません。
 問題48では、K精神保健福祉士と主治医との間で行われたことについての用語の理解が問われましたが、多職種連携を意識した出題内容で、良問といえます。
 3問1セットの事例問題につきましては、「精神保健福祉相談援助の基盤」に引き続き、用語の理解と、実践に関する内容がバランスよく出題されました。問題51では、ケア会議の参加者の発言として適切なものを選ぶという、目新しい出題といえますが、選択肢文から正解の選択肢を判断できたかが問われました。
 この科目全体としましては、取り組みやすい問題が大半を占めており、高得点となった方も多いものと思われます。

分析: 赤マル福祉事務局

精神保健福祉に関する制度とサービス

 精神保健福祉士として相談援助を行うにあたり、知っておくべき法令や制度、用語等についての理解が問われました。
 問題61では、精神科病院の「管理者の役割」という今までにはない視点からの出題となりましたが、過去問学習&テキスト等での学習を通し、正解することは可能といえますが、差がつきやすい問題の一つとなりました。
 問題62では、ひきこもり地域支援センターについて出題されました。過去に出題実績はあるものの、この科目での出題は今回が初めてとなりましたが、問題の難易度そのものは基本的であり、確実に正解しておきたい内容でした。
 問題64では、市町村長が指定するものについて問われました。障害者福祉について多岐にわたる内容であり、手ごわく感じた方もいらっしゃったものと思います。
 問題68では医療観察制度について出題されましたが、選択肢文の誤っている箇所を的確に見つけられたかが問われました。
 問題69の統計的手法は、見慣れない語句が数多く並びましたが、知っていなければ正解するのは難しく、難易度の高い問題といえます。
 問題70~72の3問1セットの事例問題では、入院形態や社会資源について問われました。問題70では昨年に引き続き、医療保護入院について問われました。問題71と72では、事例文からどのような社会資源であるかを判断し、そこから解答を導くことが求められ、総合力が試されました。
 この科目全体を通してみると、精神医療審査会や精神障害者保健福祉手帳など、精神保健福祉士の国家試験で定番といえる出題内容が少なく、点数は比較的取りにくかったものと思われます。

分析: 赤マル福祉事務局

精神障害者の生活支援システム

 精神障害者の生活支援について幅広く出題されました。
 問題73の共同生活援助(グループホーム)、問題74の就労移行支援はどちらも頻出事項です。どちらも確実に点数を取っておきたい問題でした。
 問題75は障害者の雇用状況等についての統計データ問題でした。第23回 問題75の類題といえますが、過去問学習を通し学習をしてきたか否かで差がつきやすい出題内容といえます。
 問題76のクラブハウスモデルにつきましては、正しいものを「2つ」選ぶ問題でした。誤っている箇所を的確に見つけられたかが問われました。これも差がつきやすい問題となりました。
 問題77は、例年、精神保健福祉業務が出題されることが多いのですが、今回の国家試験では「都道府県に策定または設置の義務が課せられているもの」について問われました。一見、目新しく感じるかもしれませんが、過去問学習で十分に対応可能な出題内容でした。
 問題78~80の3問1セットの事例問題は、心理的負荷による精神障害の労災認定基準や復職支援に関する出題でした。中でも問題79は選択肢の用語を正しく理解できていたかが問われ、難易度が高かったものと思われます。
 この科目全体を通してみると、一部に踏み込んだ内容があったものの、過去問学習で対応できるものが大半であり、比較的点数は取りやすかったものと思われます。

分析: 赤マル福祉事務局